『おいしいごはんが食べられますように』高瀬集子(講談社)
第167回芥川賞受賞作品である『おいしいごはんが食べられますように』高瀬集子(講談社)を読みました。
表紙に書いてある通り「仕事」と「食べ物」と「恋愛」の話でした。
芥川賞は純文学という文章の美しさや表現方法が求められるといいますが、正直、専門家ではないので美しい文章とか表現や構造がどうとかはわかりません。しかし、『おいしいごはんが食べられますように』は、スーーッと頭に入ってきましたし、ご飯の描写のシーンはイメージができて、どんな場所で、どんなご飯を食べているか匂いや温度まで伝わってくるみたいです。専門的にわからなくてもその描写は美しい文章に当てはまるのだということはわかりました。
内容は、『コンビニ人間』村田沙耶香著(第155回芥川賞)のように現代の生き方への問題提起や言えないけど思っていることの描写が多く、小説が終わった後に全てが解決するわけではなく余韻が残り「こんな人が部下になったらどうしよう」「もしあの人が彼女だったらどうだろう」とか考えてしまします。
人間関係とういう共通の悩みを人間共通の欲望である「食」を通して描いている面白い本でした。
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