給食ハラスメント~完食指導が招いた悲劇~
今回はSNSでも話題にあがることがある、完食指導について考えてみました。
学校の先生にはなぜか「給食完食指導」信奉者がかなりたくさんいます。
年配の先生だけでなく、若い先生にも結構います。
どうしてそうなってしまうのでしょうか?
それは、完食指導以外に食育を知らないから、そして楽だからです!
給食ルールって何?と思った方は以下の記事をご覧ください↓↓
まず、完食指導の定義について考えてみました。
給食完食指導には2つの考え方があります。
①個人における完食(与えられた1人前は絶対食べ切る)
②クラス全体における完食(クラスの目標と掲げ、トータル残菜にする)
①のみ=完食指導
②のみ=完食指導
①②両方=完食指導
①②のどちらか一方をクラスのルールや目標としている場合、それは完食指導と言えます。
①個人における完食(与えられた1人前は絶対食べ切る)
給食をすべて食べ終わるまで掃除の時間や休み時間に居残りさせ、強制的に完食させようと指導のことです。
いただきますする前に、「苦手なものを減らしてよい」というルールの場合には、その減らした1人前をすべて食べ切ることを指します。
まだ、減らしてもいいから、与えられた1人前は絶対に食べ切るというルールなら、例外を認めるのであれば食育指導として、ぎりぎりありかなと思います。
ただ、その日の体調によって、食べ切れなかったり、食べられると思ったけど苦手な味で気分が悪くなったりした場合もあると考えると、やっぱり「絶対」という強制力を行使するのはハラスメントだと言えます。
居残って食べさせてませんと言う人もいますが、そういう人はクラス全体で完食をしようと目標を掲げている場合が多いです。
食管にあるすべての食べ物を完食しないと、給食時間が終わらないのです。
そこまで徹底しなくても、子どもや先生が食管に残っているおかずをなんとか協力して食べ切ろうとするのです。まじめな子ほど、この目標を気にします。
そんな完食を目標に掲げたクラスで死亡事故が起きました。残したらもったいないと思い、普段おかわりなどほとんどしない子が、アレルギー食材をおかわりしてしまったのです。いわゆる誤食です。
完食指導というクラス目標を掲げなければ、防ぐことのできた事故です。だから、クラスで完食することを担任が掲げることは、亡くなった方及びその遺族の方に対する冒涜だということを知らないといけません。無知は罪です。
まさに拷問。
それを平然とやってしまっているのです。
完食させなくても、別のやり方で食べ物の大切さは指導できます。
この完食指導が原因で、
食べること自体に恐怖を感じてしまったり、嫌いになったりする子もいます。
にもかかわらず、毎日、自分のクラスが完食していることを、職員室で自慢する先生さえいます。
理解を超えてもはや恐怖でしかありません。
給食ハラスメント(給ハラ)です。
おそらく、10年ほど前に起きた悲しい事件について知らないのでしょう。
無知とは怖いものです。
もし知っているのに、完食指導していたら、頭がおかしいとしか言いようがありません。
完食することを学級目標にしていたクラスで起きた事件です。
乳製品アレルギーのある子が、給食に出たチヂミを食べて、食物アレルギーで亡くなってしまったのです。
この子は普段、乳製品を取り除いた「除去食」を食べていました。
めったにお代わりをすることはありませんでしたが、クラスでは、完食を目標にしていました。チヂミはあまり人気がなかったので、その子は、学級の目標達成に貢献しようと、アレルギー食品とは気付かずに、チヂミを食べてしまいアナフィラキシーショックを起こしてしまったのです。
心より哀悼の意を表しますとともに、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
教師やアレルギーをもつ親であるなら、下の資料は絶対に読むべきです。
そうでなくても、知識としてぜひ知っておいてほしいものです。
事故の詳細です↓
http://www.mac.or.jp/mail/130601/img/1_11.pdf
豊中市議会議員 今村正さんのHPにあった記事を紹介します。
給食完食指導がこの世から、なくなる日を心より願います。
そのために、地道に発信を続けていこうと思います。
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