【読書感想】自閉症の僕が飛び跳ねる理由 東田 直樹
自閉症を全然知らなかった
これまで自閉症の人と直接会った事や見たことがなくテレビやYouTube上で少し見た程度だったので、自閉症の人や障害そのものに対する認識はコミュニケーションを取ることが難しいとか嫌いで、発達障害や知的障害を持った人なのかなぐらいの認識しか持っていなかったが本書を読んで少し自閉症の解像度が上がった。
本自体は、著者の自閉症の症状の説明を切実に語る前編と、短編小説の後編で書かれています。
筆者の自閉症の症状について
自閉症はそれぞれ色々な症状があるかと思うが、筆者は健常者と同じように悲しんだり喜んだりするし、色々な事を考える事ができる。
出来ない事があったり、子供扱いされるような事があるととても悲しい。
健常者と違い苦手な事
感情や自分の考えを他者にうまく伝える事が出来ない事。
何かやりたい事があったらその衝動を止める事は非常に困難でやらずにはいられなくなる、なぜやりたいのか本人も何故かは分からない事。
記憶がひとつのまとまりとして記憶できず、点と点でバラバラに記憶されていて関連付いた記憶になっていない事。
その点と点の記憶とその時の感情が突然フラッシュバックして、突然笑ったり泣いたりしてしまう事などなど
感想
自分を見つめて理解して言語化する。
執筆当時13歳だったようですが、健常者の人でも中々出来ないような事を、そんなに若い時からされていて本当に凄いなと思った。
大変な苦労や努力を重ねて本書を執筆したと想像出来るが、世間に知られていない自閉症の症状が詳しく書かれていてとても価値のある本だと思う。
本が出版できたことも、著者の努力もそうだが周りのサポートも相当な物があったと想像できる。
ただただリスペクトしかない。
この文章はこの本の中で1番好きです。
最後に
全体的には辛くなる大半を占めている。
よくテレビや映画であるような感動ポルノではなく、書かれているのは筆者の現実。
感動的な話が読みたいのなら別の本を読んだ方が良いが、読んで後悔はしないはず。
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