【郷愁の木造旅館と威風堂々の共同浴舎。自分で名湯と名乗る湯にハズレなし】長野県湯田中温泉 まるか旅館宿泊記【おひとり様女子旅記録】
湯田中温泉は
天智天皇の時代からある大変古い温泉地です。
江戸時代、俳人の小林一茶もたびたび訪れた
湯田中温泉郷。
電車でのアクセスも便利である点が魅力的で
年に何度か訪れる大好きな温泉地のひとつです。
今回お世話になったまるか旅館さんは
以前からチェックしていたお宿。
私の大好きなボロいい温泉宿
いま風にいえば昭和レトロな雰囲気が
気になっていました。
途中、大好きな湯田中プリン本舗で
おやつ購入。
ぎゃー、すみませーーん!
と、叫んだら
すぐに奥からスタッフさんが出てきてくれて
対応してくれました…恐れ入ります…
かえで通りと呼ばれる一本道は
途中に何ヶ所も外湯の共同浴場がありますが
入れるのは地元の方のみ。
いわゆるジモ専。
今回宿泊したまるか旅館さんは
湯田中温泉でいちばん大きな外湯、
大湯の鍵を宿泊者に貸してくれます。
大湯に入ることができるのも
ここに宿泊したかった理由のひとつです。
大湯から3、4件先に
まるか旅館さんの看板が現れます。
建物は明治時代に建てられたそうで、大変レトロです。 湯治場の雰囲気にわくわくします。
案内してくれたご主人は
朴訥であたたかくて丁寧な対応。
もう、この時点でこのお宿が好きになりました。
案内されたのは
別館1階のお部屋です。
1階と言っても、2回階段を登ります。
本館に比べて別館は少し高い位置にあるようで「後から建築された感」がアリアリ。
お部屋の広さは8畳あって
畳の部分に加えて広縁がある豪華な造りになっていました。
お部屋はとっても綺麗に清掃されていました。
この木の椅子もまた座り心地が絶妙で。
ここに座って外を眺めながらお茶を飲んでいると
無限に時が過ぎていくように思えてきます。
早速、館内探検しつつ、お風呂へ。
「まるか旅館」の館内は
本当にレトロ感に溢れていますが
きちんと手入れが行き届いてます。
古いものは手入れを怠ると
どんどん劣化加速しますよね…。
タイルの階段があり、上がって行くと。
石を敷き詰めた造りの廊下に
木製の歯車が埋め込まれています。
浴室は本館と別館の間にあります。
入り口の扉の札を裏返しにして
貸切で利用します。
左側の木の扉を開けたら
いきなり庭で驚きました、笑
(開けてはいけない)
浴室へのガラスの扉をオープン。
浴室もレトロです。
浴槽も床もタイル貼りです。
全体的に淡い色使いになっている点も好きです。
湯船の中だけは優しい水色になっていて、
聞こえてくる外からの音はほとんどありません。
この内湯の雰囲気が良すぎて、 滞在中は何度も入りに行ってました。
湯田中温泉でいちばん大きな外湯の大湯が
「共同浴場番付」で東の横綱になっています。
このまま大湯へ行ってみることにします。
玄関周りに写真撮りたくなるようなものが
たくさん…。
玄関にある「大湯セット」をお借りして、共同浴場大湯へ。
共同浴場といっても
入ることができるのは地元の温泉組合員と宿泊者だけ。
カードキーと石鹸やシャンプーなどの温泉セットも
一緒に借りられるという親切さ。
湯田中温泉は
天智天皇の時代からある大変古い温泉地だそうです。
地表近くから湧き出す温泉が多く、
源泉が街中のあちこちにあるそうです。
大湯の建物は趣ある造りで
高さのある天井は開放感があり
湯船は、熱めの湯(左側)とぬるめの湯(右側)の2つに仕切られています。
ぬるめの湯でもかなり熱い…
熱めのお湯は入れないことはないのですが
私には2、30秒が限度でした。
ぬるめのお湯がゆっくり入るには適温です。
それでも長湯はできないので、出たり入ったり。
汗だくになったので周囲を散策。
お宿の隣の梅翁寺境内には
湯けぶり地蔵さんがいらっしゃいます。
びんしゃん地蔵さんって言うんですって。
足湯もお隣にあります。
回収できる袋とか持っていなかったので
吸い殻は足で隅の方に避けて来ましたが。
こういう観光客のマナーの悪さのせいで
どんどん良いところがジモ化されちゃうんだよ!と何とも言えないモヤモヤを抱えて帰還。
お部屋に戻ると
ちょうど夕陽が沈む頃でした。
温泉効果で、あっという間に寝落ち&爆睡。
する音といえばお寺の手水舎から湧く温泉の音と
上の階のお部屋の軋み音。大いに風流。
大きな窓と大きなお部屋で暖房器具ナシだったので、夜は寒いかと思いきや
4時ごろ目覚めるまでポカポカでした。
24時間入れるお風呂はありがたいです。
目覚めのワンショット風呂へ行きました。
ガツンと熱く、ちょっとぬるっとした肌触り。
湯上がりの肌はしっとり、気分はしゃっきり。
翌日は午前中から雨予報だったので
雨が降り出す前に電車に乗りたいと思い、
朝食は早めの7時前にお願いしました。
時間になると内線電話で呼び出してくれます。
朝食は別室で。
本館と別館の間の最初の階段を上がると
部屋だけ独立した部屋があります。
もともとは客室として使われていたようですが、
今はここ、食事部屋としているようです。
お櫃のご飯が艶々!
おかずも全て手作りで
手間ひまかけたと思われます。
あたたかな朝食に大満足です。
食後、もう一度大湯へ。
湯田中駅から徒歩圏内という点が
大変魅力的な湯田中温泉郷。
その温泉街のほぼ中心にあって
有名な湯田中大湯にも入りに行くことができるし、
内湯ももちろん良いお湯で、一石二鳥のお宿。
女将さん、ご主人、若旦那さん、
みなさまに親切に対応していただけました。
時間を大事にできる良いお宿だと感じました。
心が和む静かな時間を
思い切り堪能することができました。