見出し画像

【「アッ!ここはもとの村ではないか」ねじ式の原風景に出会える路地の町】千葉県 太海 鴨川温泉【おひとり様女子旅記録】


迷走ノロノロ台風情報に
右往左往する1週間でした。

相変わらず豪雨と晴れ間が行ったり来たりの
落ち着かない天気の中
千葉県は内房線の
太海という小さな漁村の町を訪れました。

内房線車内から

「絵かきの里」と言われる太海は
まるで絵を描くために造形された自然美の町。

明治大正の頃より多くの画家が足を運ぶ
「写生地のメッカ」だったそうです。

JR内房線の太海駅で下車。
駅舎が新しくなってる…!

鴨川温泉は好きで、ついこの間も来たと思っていたけど
前回太海に来たのは2021年。
3年ぶりでした。


2023年度グッドデザイン賞受賞
だそうです

前の駅舎と駅前の激鄙びた感じ
好きだったんだけどなー。

駅前の道もアートっぼくなってる

駅前の道を歩き出してすぐ、
海の方へ降りていく道が出てきます。

空が晴れてきた

適当に足を進めていくと
小さな路地や脇道や石段が入り組んでいて。

どこか懐かしい時間の流れを感じます


路地めぐりウォーキングコース、
っていうのがあるらしい

なんていうか
迷ってさまよい歩くのにぴったりな感じ。

海。さすがに荒れてます。
漁港に出ました

この辺りに
あのシーンのモデルになった路地があるのだとか。

つげ義春先生の代表作「ねじ式」

なんの変哲もない路地から
機関車が飛び出す一コマは
ここから生まれたそうです。

「アッ!ここはもとの村ではないか」の場所

太海の路地には芸術家の想像力を
掻き立てる何かが詰まっているのかもしれませんね。

壁に案内板ありました。
つげ「義治」になってるけど…

太海の対岸には「仁右衛門島」という
観光をウリにしている島があります。

38代続く島主・平野仁右衛門氏の名を取り
仁右衛門島と呼ばれる

この島の唯一の住人である平野仁右衛門さんが
昔々、都から落ち延びてきた源頼朝をかくまったという伝説があるようです。

平野仁右衛門さんは今もご存命で島に暮らしています。

島全体が平野仁右衛門さんの私有地だとか。


この仁右衛門島へは、
手漕ぎの渡し船で行くのですが
この日はさすがに荒天のため欠航。

船着場。
渡し船料金は島の観覧料金とセットで1350円です。

我が家の夏休みの家族旅行は
毎年仁右衛門島でした。
こうして改めてひとりで訪れて見ると
見えるもの感じるものが全く違って面白いです。

江澤館、泊まって見たいのだけど
ひとり宿泊不可なんだよなぁ
こんな雰囲気の港町が
変わらずに今に生きているのが
嬉しい


鰹節店が幾つかあって
鰹節の良い匂いが漂っていました

太海に来たら必ずまるよ食堂へ寄ります。

いつ来てもお客さんが入っていて
昔からの人気の食堂みたいです

今日の宿泊は夕食が付かないので
早めの晩ごはんがわりに…。

メニューが多すぎて毎回本気で悩む

麺類も美味しそうだし、フライも魅力的だし…
穴子天丼も捨てがたい…
悩んで悩んでネギトロ丼に決めました

はみ出るネギトロ
ネギトロ丼1,300円。

宿泊するお宿は、お店の目の前。
鴨川温泉 海辺の宿 恵比寿さんです。

まるよ食堂の道を挟んで反対側


建物外観
玄関

フロント。
立ち寄り湯もやってます。1,000円。

奥から「ちょっとお待ち下さーい」の声。
広々としたロビーです

程なくスタッフさんが現れ、
チェックイン手続きしてくれました。

今のところ、こちらのお宿が太海で一番好きで
今回4回目の宿泊です。

働いている方は地元のおばあちゃん達みたいな
大きな笑顔で、いい意味のおせっかいで
本当に嬉しくなります。

館内。レトロな木造です。

継ぎ足し継ぎ足しして建てた施設なのでしょう
館内は階段、段差だらけの結構複雑な造りです。



足の悪いおばあちゃんスタッフさんに
館内案内してもらうのは心苦しい…
ここはもう割愛で良いんじゃないかなぁ。


太海の町と同じように
路地や階段、段差が多い館内。
この辺は比較的新しいのかな

案内された部屋は
初めて通されるエリア。

207号室。
同じ2階でも階段で繋がっていたりします。
館内案内図を見ても複雑な造りの建物です。

このお宿は全室オーシャンビューです。

和室10畳+前室2畳
トイレ洗面つき
かわいい洗面ボウル


部屋からの眺め

お茶菓子の鯛せんべいを頂き、お風呂へ向かいます。
お風呂は館内案内図では一階と書いてありますが
後付けされたと思われるエレベーターで
地下一階へ。

エレベーター降りると
目の前が浴室入り口
女湯パウダールーム
脱衣所

鴨川温泉なぎさの湯。
泉質は単純アルカリ硫黄冷鉱泉。
浴場は広々とした造りです。

かすかな硫黄臭を感じます。


お湯に浸かると
まとわりつくようなぬめりがあります。

なかなか個性的なお湯で、温まりもいいのです。

手前の浴槽は少しぬるめ。
奥はしっかり加温されています。

源泉温度19度の加温加水濾過あり温泉ですが
苦手な塩素臭はほとんど感じられず
幾つかある鴨川温泉なぎさの湯の中でも
恵比寿さんのお風呂が一番好きなお湯なんです。

私は利用した事がないのですが
宿泊者は海の見える貸切風呂も使えます。
(半露天&内湯&湯上がり涼みデッキ)
予約制で55分3300円とのこと。

早朝や夕刻などの時間帯
それぞれの海景が楽しめそうです


貸切風呂は部屋の目の前でしたが
鍵がかかっていて中は見れず(当然)

あとはお部屋でゴロゴロ&お風呂の
極楽エンドレスループ。
お風呂は23時30分までです。

夜の浴室。間接照明のみでムーディー。


翌朝のお風呂は6時から。

朝風呂いただきます



朝食は8時ちょっと前に準備します、と言われましたが
7時40分に「朝食できました〜どうぞ〜」と
内線電話がかかってきました。

食事処での朝食はこんな感じの
ザ・旅館の朝ごはん

一番奥の左上の黄色い小鉢、牛乳寒天だったんだけど
冷奴と間違えて醤油かけそうになった
(本物の冷奴がその隣にあって気づいた)

地元のおばあちゃんの手作り漬物や
海辺の食卓ならではのひじきや魚が並ぶ朝食は
しみじみ美味しいくて
鴨川米のご飯とお味噌汁、おかわり無限です。


朝食後、お風呂に入り納め
スコールみたいな雨のあと。
晴れてきた

ひなびた漁村のレトロな宿で
なかなか個性的な温泉を独泉できる旅。

幸せなものがありますね。


千葉県 鴨川温泉なぎさの湯 海辺の宿恵比寿
泉質: 単純アルカリ硫黄冷鉱泉
入浴可能時間:23時半まで 翌朝6時から
2024年9月1日(日)宿泊
一泊朝食付き 9,900円+入湯税150円

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?