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GardenerさんとPERFECT DAYS


Gardenerさんはもともと歩くのが速く
大好きなデパートではさらに速くなる人だったのですが、
最近はだいぶゆっくりになり
夕方暗くなってくると誰かにつかまって歩くようになっています。

「歩くのとお水を摂るといいよ」
と、
わたしの大好きな方が教えてくださったのでGardenerさんに会った時は、
Engineer さんとのお散歩と
お水を飲むことを勧めています。

以前テレビで
認知機能の低下と歩行速度は比例すると言っていたことを覚えていたので、
わたしも意識してGardenerさんの歩く速度を
この様子になる前からみていたのですが

確かにこの一年
歩行速度の低下と
認知機能の低下は一緒に進んで行っているのをすごく感じています。

普段テレビをほとんど観ないわたしではありますが、たまたま観たテレビの内容がここにつながっているのが分かって、
なんだか不思議な気持ちです。

でも考えてみたら
若さに溢れていても、
気が重い時は歩くのはゆっくりになりますし、
鬱鬱とした時は動きたくなくなりますから
認知機能の低下と歩行は
本当に関連していますよね。

歩くこと
食べること
手を使うこと
そして
コミュニケーションを取ること
というのは
人間にとって とても重要なことだと
Gardenerさんから改めて教えてもらっていると感じています。

そして
認知機能は低下すると
捉え方にも変化が起こるので
Gardenerさんはちょっとしたことでも
感情の浮き沈みが起こるようにもなりました。

それは
天気や温度、季節の変わり目など
外側の影響で起こっている時もありますし、
内的な要因から起こっている時もあり、
突然Gardenerさんを襲う
混乱や不安、怒りの表出に
周囲が驚いたり
あわててしまうことも昨年は多々ありました。

先日
ヴィム・ヴェンダース監督の
『PERFECT DAYS』を観に行ったのですが
わたしが特に印象的だったシーンは
最後のシーンで

主人公の平山の表情を見た時
平山は
わたしであり
Engineerさんであると
そして
深い深い部分では
Gardenerさんでもあると感じたのでした

Gardenerさんと生きて行くこと
これは
わたしの生き方への問いでもあるのです

そして
きっと
このことは
わたし達「人」の生き方への問いでもあるのだと

『PERFECT DAYS』の帰り道
風にのって漂う
満開の梅の香りから
そのことをふと思ったのでした












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