
九十歳。何がめでたい
年齢を重ねると、喜寿、米寿、白寿などでおめでとうと言われるが、この本を読んでみると、歳をとるということはタイヘンだということがわかった。
進歩と言われることが、若者にとっての進歩であり、年寄りにとっては改悪にしか感じないことも多々あることだと感じた。
この本の素晴らしいところは、年寄りになるとこんなことがタイヘンになるのだと明確に文章で当人が書いてあることだと感じた。
他人が忖度しているのではなく、年寄り本人が厳しい言葉を使って言っているので説得力がある。
自分もいつかこうなると思いながら読むと、本当に長寿が良いことなのかわからなくなってくる。
そもそも、この本は老人性ウツ病になりかけていると感じた作者が、その危機から回避するために書いたので、説得力があるのは当たり前である。
自分も長生きしたいのかわからなくなってきた読後感でした。