読書記録2025/1/23
2025/01/23
合計: 88 ページ
テル・ケル 『 新しい小説・新しい詩 』: 2 ページ
ヘンリー・ジェームズ 『 ねじの回転 デイジー・ミラー 』: 56 ページ
クインシー・トループ 『 マイルス・アンド・ミー 』: 30 ページ
ほんの少しずつ。
テル・ケルの討論会。ファイユの口舌は止まらない。ロブ=グリエへの擁護、滔々と出てくるその小説や評論自体のような言葉の流れ、それをフーコーがとめにかかり、話題に出てきたクロード・オリエという作家が実際にいるので話をそちらに向ける。
討論は、この息遣いとでもいうような、誰が興奮していて誰が冷静で、誰が意味のあることを言っていて誰が言いよどんで、といったような空気を感じることができるのが楽しい。
オリエは、あまり饒舌なスタンスを取らない、そこを起点にしていて、少しずつ自作と小説、「芸術とは何なのか」「芸術は何の役に立つのか」を考える。
リアリティと自作との距離、そして、急に作品の中に政治的なものを持ちこんでしまったのだが、それによって、リアリティの境界が揺らいでしまった、という。ここが面白い。ふつう、よりリアリティの側に寄ったと表現するところだ。
私が書くとすれば、それはもうひとつの別の世界、目に見える世界(それは経験の世界と言ってもいいと思いますが)とのバランスをとる第二の世界を作り上げるためです。そしてその見通しに立つとき、表現やリアリズムの諸問題は、今や、二義的とはいえないまでも、確かに付帯的なものだと私には思えるのです。