#064 心の中

3月の終わりは
なんだかいつも不安定だ

一年ごとに職場もメンバーも
大幅に変わる仕事だから
落ち着かないってのもある

とにかく
一年で一番よろしくない

思い返してみれば
この仕事を辞めていた時期は
やっと春だなと
ちょっと明るい気持ちになり
イチゴ狩りだとか
桜はいつ咲くのかとか
ワクワクしている時期だったのに
環境の影響は大きいもんだ

それに加えて
ここ2年くらいは
世の中の状況が変わり
いろんなことを制限されている

もともとそんなにアクティブな生活を
していたわけではないので
人のあつまるような場の制限は
わたしには大きな影響もなく
家にいろと言われれば
たいして苦でもない

唯一しんどさを感じているのは
自由に人に会えないことだ

毎日の中で気づかないうちに
溜め込んでいるもやもやを
たまに人と会って
話したり笑ったりして
発散するのが
わたしには最高のリフレッシュだったようだ

それがなくなった

最初のうちは
そういう時期なんだ
仕方ないと
だったら自分のスキルアップに
その時間を使おうと
ポジティブに考え
一世一代の勉強をした

一年頑張って
国家試験に受かろうが
世の中は変わらなかった

むしろ変わらないことを
受け入れてうまく共存する人が
増えたように見える

最初は休校だオンラインだ
陽性者がでた
どうしよう…と
バタバタした職場も

いつの間にか
ほぼ以前のような状態が
戻りつつある

休日の街は
人で溢れかえるようになったし
すれ違う人々は
みんな楽しそうに見える

会いたい人と向き合うことは
まだなんだか難しいのに
知り合いじゃない人には
いくらでも遭遇できる

未だにそうじゃない場がある
ってことは承知している

たぶんそこから
ちょっとした価値観のズレが
じわじわ広がっているのかもしれない

田舎に住む息子とは
一年会わなかった
先日やむを得ない用事があり
やっと会えた

いいのかな…
と直前まで不安だった気持ちは
一瞬で吹き飛んだ
幸せしかなかった

一回会ったら
心のハードルがだいぶ下がった
意識は大きく変わっていないけど
また会いたいなと思う

制限はまだ続いている

もうちょっと我慢しろ
と言われたら
もうちょっと我慢できるのかも
しれないけど

なんだか疲れた

普通に見える世の中と
我慢しなきゃならないことのギャップに

仕方ないと
いい子に気持ちを押し込めることに

もう疲れてる

桜を観にいこう
と誘われた
そのフランクな一言が
とても嬉しかった

春は人に会いたくなるね