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保育所の入所申請に行ったら「育休延長狙い」を疑われた

いや、マジで違うんだって…。
ぞんざいな扱いをされた気がして、正直気分が悪い。


保育所の入所申請が始まる

現在、娘は生後6ヶ月。
我々夫婦のペア育休は、今年度の3月までとなっている。
そして来年度4月から仕事を復帰し、娘は保育所に行く予定だ。
つまり、今年度中に保育所の入所申請を完了しておかなければならない。
いわゆる保活ってやつが始まるのだ。

ただ僕たちの場合は、保活をする予定はない。
なぜなら入所を希望している保育所は1つしかないからだ。
そこは長男である息子が卒園した保育所である。

自宅から最も距離が近い保育所。
お世話になった先生も未だ多く在籍し、息子のクラスメイトの弟や妹も在所している。
知り合いが多く、とにかく好都合なので、他の保育所へ希望する理由は全くない。
だから私たちは、この保育所一択の希望で申請書を出した。

保育所の落選を狙う夫婦?

申請当日、僕たち夫婦は娘を連れて役所へ出向いた。
申請期間の上旬ということで、受付はかなり混み合っている。
整理券をもらい、事前に担当スタッフが書類を確認してもらう。
しかし予想外の展開はここから始まる。
申請書を確認していたスタッフ(以下"役")が希望欄を指摘し、僕たちに問う。

役「第一志望しか書いていませんが保留(落ちること)になったら来年はどうするんですか?」

僕「育休を延長します」
(※万が一落選した場合は育休を延長することは、既に夫婦で相談してある)

役「でも、他のところを書いていないということは、強く入所を希望しているという風には見えないんですけれども?」

ん?扱いがどこかおかしい。なぜこの人は僕たちに冷たいんだ?

僕「いや、長男がこの保育所を卒園したから、ここ以外は考えていないんですけど…」

役「来年度から国の決まりで、いくつか書いておかないと育休の延長ができなくなるかもしれないんですよ」

僕「(は?なにそれ?初耳なんだけど…)」

妻「いや、私たち決してわざと落選して育休の延長を狙っているわけではないんですけど…」

役「それはわかるんですが、この書き方だとどうしても落選する可能性も高いので、いくつか書いてもらいたいと思ったんです」

完全にお互い分かり合えない。
今から希望を書いてほしいだと?そりゃ無理だろ?
希望もしていない保育所を行かせる気にもなってほしい。
そもそも保育所の見学だって、近隣全て行ってるわけでないのに。
希望していない保育所ならなおさらだ。

こうして僕たちは保育所の落選を望み、育休延長によって育児休業手当金を貰おうとする夫婦に扱われてしまった。

地域に根ざした保育所

とりあえず変更は電話でもできるらしいので、一旦今日のところは申請書の不備がないかをスタッフと一緒に確認して提出を済ませた。

しかし僕たちの希望は、本当にひとつしかなく、他の保育所は考えられない。
自宅から保育所までの距離とか、保育時間とか、そんなシステムの話ではなく、みんなが知ってる近所の友達や先生がいる保育所だから。
保育所は、学校以上に地域に根ざした施設。
子どもたちはこの保育所で育ち、この地域で生きる。
それが本来の保育のあり方だろう。
田舎なんてのはコミュニティありきで全て完結するようになっているのだ。
(もしかしたら昨今その考え方自体が保活に向いていないのかもしれない)

書類だけじゃ何もわからない

どうもあのスタッフが言ってたことが気にかかり、ニュースを調べたところを似たような内容の記事が数多く引っかかった。

確かに落選狙いを考えている保護者は存在するようだ。
少し情けないような気もするが、その考えも育児に専念した今なら尊重できる。
政府としては「本来の育児手当金のあり方とは異なる形で、受給している保護者がいる」という問題を解決したいのだろう。

ただ、不毛過ぎる。書類だけじゃ何もわからないだろ。
書類だけ見ても落選を希望しているかどうか、なんてわかるわけないし、それを企んでいたとしても口に出すわけなんてない。
書類のチェックを厳しくしたとしても、審査が厳しくなるわけじゃないから、そもそも対策しようがない。
まるで就職活動の「御社が第一志望です」と似たような状況だ。

おそらくあのスタッフは、口頭試問をして厳しくチェックしたつもりだろう。畜生、ふざけやがって。
もし同じ質問をして気分を害された方がいれば、代わりに僕から謝っておきます。

問題なのは保育ではなく勤労

そもそも、この問題は保育ではなく勤労だ。
制度の改善もそうだが、対策するべきは"職場復帰"を手厚くすることだ。
いつまでも非正規や派遣を消費している場合ではないぞ。
そりゃ働き甲斐があって、職場も育休の復帰を大いに歓迎してくれて、生活するための給与が故障されていれば、みんなさっさと保育所に子供を預けて働くに違いない。
(※ただし他人に委ねるのではなく、自らの子どもを育てたいという場合は除く)

また復帰したとしても、元の居場所がなく、働きにくさを感じている人は少なくない。
どの会社も採用に余裕がないのは十分承知だが、子を産んでくれた女性や育児を担ってくれた男性に、もう少し温かくすることはできないのだろうか。

子育て世代にも、優しい社会の実現を

子育て世代が抱える問題はたくさんある。
育児もそうだし、勤労もそうだし、そのための保活もそうだし。
でもよく考えてみたら、これらは全て三位一体でそれぞれが独立しているわけではない。
ひとつの問題につき、それぞれが連鎖し合っている。
逆に言えばどれかを解決すると、他の悩みや心配も解決していく方向に進むはずだ。

そしてひとつ断言できることがある。
現状の制度だけでは、やはり限界がある。

まずは各所で早急に制度の見直しを、継続して改正を。
子育て世代にも、優しい社会の実現を。

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