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育休45日目 妻にかかった呪いを、今度は僕が解く

※本記事は、母乳神話について触れますが、完全母乳育児を全面的に否定するわけではありません。僕たち夫婦の在り方を考えた結果、ミルクで子育てをしています。


先日、僕は妻と乾杯をした。
スシローのテイクアウトにビールと白ワインを添え、娘の生誕1か月記念を祝った。
家族4人で宴を催す。
9か月ぶりの晩酌は、至福のひとときだった。

呪われた夫を解放する妻

遡ること3か月。
僕は妻に"禁酒"という呪いをかけられた。

それから今日までの間、(建前では)僕はアルコールを摂取していない。
特に娘が生まれてからは、夜間の育児が毎日あったため、酒を飲んでいる場合ではなくなった。

娘の睡眠時間が長くなってきたら飲みたいな、と思っていた。
そんなとき、妻が提案した。

「1か月検診の日、乾杯しようよ!私も夜中一緒に起きるから。」

キター!
ついに呪いが解かれる瞬間がやってきた。

純粋に晩酌を、そして妻との食事を楽しもう。
妻も一緒に夜間の育児してくれるならもう安心だ。
3か月の勾留期間を経て、妻は呪われた夫を解放する。
僕はビールで、妻はワインで乾杯した。

乾杯できたのはミルクにシフトしたから

そもそも生後1か月の子どもを育てている夫婦が、お酒で乾杯することは珍しいと思う。
なぜなら未だ授乳期間中であり、母親がお酒を控えているからだ。

育児をしていく中で「いつまで母乳をあげるか」は夫婦で議論になる。
離乳食まで継続して母乳で育てるパターンもあるが、お酒が大好きな夫婦であればどこかで話し合っておきたい。

今回の育休期間は、僕が夜間に育児できるように産後1週すぐにミルクにシフトした。
理由は簡単で、母乳にこだわると、夫が授乳できないからだ。
赤ちゃんが空腹を訴えたとき、母乳に制限すると夫は無力となってしまう。

完全ミルク授乳の割合

完全ミルクで育てている夫婦はどれくらいいるのだろう?
気になって産後の授乳生活を調べてみたら。

「産後の生活」に関するアンケート(2022年6月実施)、babyco会員0歳ママ356人が回答

完全ミルク授乳の割合は高くない。
ミルクのみにシフトすることには、大きなハードルは伴うようだ。
その理由のひとつに"母乳神話"がある。

母乳神話は多くの母親を苦しめてきた

古来から「母乳で育てないと健康にならない」という神話が蔓延っている。
どうやらWHOやユニセフも完全母乳育児を推奨しているようである。
(※これは途上国で安全な水が常に供給できないからという見方がある)

この神話は、多くの母親を苦しめてきただろう。
完全母乳が可能な母親は全く問題ない。
しかし、すべての母親はそうではない。

産後も思うように母乳が出ない母親。
ホルモンバランスが崩れ気分が優れない母親。
タスクに追われノイローゼになっている母親。
家庭の事情によりワンオペの母親。
事情は異なるが、みなそれぞれの悩みを抱えながら育児に奮闘する。

また出産を終えた母親は、体力的にも精神的にも疲弊している。
余計なストレスをなるべくかけてはならない。

育児をしない輩が横槍を入れる

そんな矢先に、育児の在り方を認めてくれないこともある。
よくあるのは「他人が母乳を推奨してくる」パターンだ。

『えー?ミルクは子どもがかわいそう。それにお金もったいないのに。』

祖母や親戚、担当医や看護師、職場の同僚、一部のSNS、そして社会全体。
育児をしない輩が横槍を入れる。
育児の在り方を認めないことは、耐え難い嫌味を言われているのと同じだ。
「母乳でなければ健康に育たない」と思い込むことで、とてつもないプレッシャーが襲い掛かる。

この考え方は、あの市川由衣さんをも苦しめた。
大学生のころ、セクシーカットが掲載された写真集が発売され、僕は虜になった。
この呪いを、僕は絶対に許さない!

ミルクの方が好都合な僕たち

母乳には、新生児の免疫機能を高める働きが数多く報告されている。
そして天然だし、タダだからお財布にも優しいし、調乳する必要がないし、いいこと尽くしだ。
母乳が好都合なのはよくわかっている。

でもそれは、"誰"にとって好都合なんだろう。

おそらく多くの夫婦にとって好都合なんだと思う。
でも僕たちは真逆で、ミルクで育てる方が都合がいい。

先述したように、母乳にこだわると、夫が授乳できない。
夫も一緒に育児をしていくためには、ミルクの方が断然好都合だ。

また、妻は第一子の息子を出産したとき、育児ノイローゼとなった。
育児が原因で元気をなくした妻を、もう二度と見たくはなかった。
娘が母乳で健康に育つことは確かに幸せだ。
しかし僕から言わせてもらいうと、妻が心身ともに健康でいてくれて、一緒に娘を育てていけることの方が、よっぽど幸せだ。

「母乳でなければならない」という呪縛を、今度は僕が解く番だ。

そして退院後、母乳からミルクに完全シフトした。
授乳する妻も、授乳される娘も、一切抵抗はなかった。
もちろん娘は健康に育ち、1か月検診で生育に関する問題は全くなかった。
結果、産後すぐに乾杯できて、楽しい育児ライフを過ごしている。

流石に毎日とまではいかないが、娘の毎月くる誕生日には晩酌したいな。

あとがき

ミルクを娘にあげている間も、妻は胸の張りを解消するために搾乳を続けていた。
母乳は破棄していた。
若干勿体ない気がして、捨てるくらいなら母乳バンクに寄付できないかと思い調べてみた。
しかし、意外と寄付のハードルは高かった。

ドナー登録と検診が必要なこと、そして全国に数か所しかない施設へ検診に行き、さらにはドナーの会員登録に年会費10,000円かかるこという!
こりゃ広まらないわ。
関係のみなさま、ぜひハードルを下げてください。

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