コメダ珈琲・季節のケーキ語り〜2024春〜
コメダ珈琲店から、春の新作ケーキが発売された。
公式HPの掲載順に感想を綴っていく。
◆米粉しふぉん
米粉といえばもっちり、みたいなところあるよね。コメダがどのくらいもっちりさせてくるか楽しみだ。
しかし「どこから食べてもコク深い甘味」が懸念点。コメダのシフォンケーキは基本的に味が薄い。どこから食べても、なんて言っていいのかい?
テーブルに運ばれてきた時点でキャラメルの香りが漂ってくる。まずはクリームから頂くとしよう。
キャラメル風味のクリームはとても美味しい。
忘れがちなところだが、コメダのシフォンケーキのクリームにハズレはない。こんな言い方をするのは、肝心のシフォンに満足したことがないからだ。
フォークで切り分けると、何だかパサパサで、硬さの伝わるような触感が。大丈夫か…?
恐る恐る口にすると、もっちりは無いが、ふわふわを感じる。
味は……
うーん、無味。
てっきりキャラメルの味がするはずだと思っていたが、メニュー紹介にはシフォン生地の味への言及は無い。キャラメルはクリームだけで、シフォンはあくまでも米粉の持つ甘みだか何だかを味わってほしいのかもしれない。確かにお米本来の甘さがどうとかよく聞く。
が、私は白飯に甘みを見出したことがない。普段のご飯が無なら、この米粉のシフォンも無である。
「無の取得」ってこういう味かぁ。
メニュー紹介にはキャラメルの香りとナッツがアクセントと書いてあるが、ベースとなっているものがあって初めてアクセントができるわけで。
ベースがあまりにも虚無なので、アクセントの効果も薄れているように感じる。
ドリンクの味が強すぎてケーキの味が分からなくなっているのでは?
否。私はシフォンケーキを食べる時、微細な味でも感じられるようにとアイスミルクなどの薄いものを選択しているのだ。
そもそもシフォンケーキって薄味なのでは?
否。地元にシフォンケーキが人気のカフェがある。食べたことがあるが、しっとりもっちりで、スポンジからもしっかり味がした。これがシフォンケーキかといたく感動したものだ。
その体験があるからこそ、どうしても同じものを求めてしまうのだ。
もっとも、コメダは工場から各店舗に商品を運んでいる。配送する関係で、手作りケーキのふわふわやもっちりには劣ってしまうのかもしれない。
お前が味音痴なだけでは?
それはあるかも。家族が古くて食べられないって残した白米でも平らげる人間です。お米の甘みが理解できるようになってから出直します。
◆北の大地のフロマージュ〜北海道チーズ使用〜
チーズを用いたスイーツは度々出るものの、真っ直ぐにチーズケーキというのは珍しい。
注意書きのリステリアフリーに関しては、話せば長くなる。以下を参照されたし。
タルト部分は、割れないか心配になるくらい薄い。全体的なフォルムにも薄っぺらさを感じる。
しかし、食べた感じは全然物足りなくない。タルト部分のサクサクにも満足。
なめらかな口当たりとの紹介だが、見た目にはそうなめらかじゃない。フォークで切り出すと、むしろ粗造である。
味は、至って普通で無難なチーズケーキ。まあ、下手にオリジナリティを出そうとして失敗するよりずっといい。
新鮮さは無いが、冒険したくない人にはピッタリだと思う。
◆カフェモカフィーユ
ココアスポンジといえば、夏のケーキ・氷点下ショコラ。
キャラ被りしないかという危惧があるが、コーヒー要素での差別化に期待だ。
スッとフォークが入る柔らかさ。氷点下ショコラに慣れていたので、凍っていないチョコケーキが何だか新鮮だ。
そして、スポンジのもっちり感がいい。こっちの方がよっぽどシフォンらしい感触だ。
一口目は、しっかりコーヒー!
だが、ずっと食べているとただのチョコケーキに思えてくる。じっくり集中して味わうと、奥の方でわずかにコーヒーの苦味を感じる…ような……?
もっとがっつりビターでもいい気がした。
背面はクランチだと思いきや、ザクザクしていない。ポロポロで、スポンジの粉末に見える。
スポンジから削り出して側面になすりつけたように見えるが、何なのだろう……?
◆あまんぶらん
コメダのモンブランのクリームは絶対美味しい。
コメダのいちごの酸味は絶対美味しい。
つまり、これは勝ち確ケーキと言ってもいい。
期待通り、一口食べた瞬間から酸味の割合が多くて美味しい!
……が、クリームの「もったり感」がちょっとしつこい。口の中に残る感じというか、脂肪分多めな感じというか……。
だが、待ってほしい。
私を感動させてきたモンブラン。勝ち確とまで言わしめたモンブラン。
俺のモンブランがこんなに微妙なわけがない。
というわけで、後日再び相見えることに。
今度は層をじっくり観察して味わっていく。
表面の絞り出しクリームが一番あまおうっぽい味わい。まさに華やかな甘みといったところ。
次に、甘酸っぱいソースが薄〜く挟まる。ジャムのような見た目だが、ジャムよりずっと酸味が強い。
そして中身のあまおうホイップクリームは、作り物のいちごっぽさがある。粉薬のいちご味に近め。
これらをまとめて食べることで、華やかなイチゴが味わえるという仕組みだ。
味自体は良いのだが、絞り出しクリームの食感がどうにも重すぎる。
確かに今までのモンブランでも「もったり感」はあったが、こんなにしつこくて気になったことは今までに無かった。
モンブランのクリームの担当者が変わってしまったのだろうか。優秀だったからどこかに引き抜かれてしまったのかもしれない。
過去でも屈指のワクワク度だったのだが、蓋を開けてみれば……。
オシャレな告知画像や美味しそうなメニュー紹介など、宣伝が上手くて期待しすぎたのかもしれない。
残念ながら、私に刺さるケーキは無かった。
まあ、こういう時もあるよね。
もともと季節のケーキの打率はそう高くない。
4種類出たら、1つが美味しい、2つが悪くない、1つがもういいかなといった塩梅だったはず。
前シーズンがどれも最高すぎたから、落差を感じるだけだ。
しかし、こういうシーズンがあるからこそ、覇権ケーキが出てきた時に胸が熱くなれるというもの。そして常に新作を食べ続けないと、そういったケーキにも出会えないのだ。
次は私の心を震わせるケーキが現れることに期待したい。