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あの商品が復活!?コメダ珈琲店「春爛漫 さくらドリンク」3種の感想
覚えているだろうか。
昨年クビを切られた商品・小豆小町を。
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左列が「小豆+コーヒー」の小豆小町 葵。
中列が「小豆+紅茶」の小豆小町 桜。
右列が「小豆+ミルク」の小豆小町 菫。
えっ?小豆ドリンク?何そのゲテモノ?
小豆に、コーヒーやら紅茶やらミルクやらをブチ込むんですか?
初めて見た方はそう思うことだろう。
思ったよりイケるもんですよ。
小豆の甘さが意外とドリンクに合う。
そんな小豆小町だが、昨年4月末に戦力外通告を食らった。
6種類もあって、ホットのカップは全て異なり、可愛い敷物も付いてくる。
オペレーションを簡素化するために終了したのかなぁと想像している。
実際、クビレースの敗北者の中では最も惜しまれた商品だったように思う。
ネット上の声のみならず、小豆小町はどこへ行ったのかと尋ねるお客さんを目にしたことも何度かあった。
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その背景があってからの、季節限定ドリンク。
はいはい、春は順当に桜ね……
って、小倉あん!?
これは小豆小町の限定復活では!?
これは小豆小町を惜しむ声に応えた結果と捉えていいですよね。
■春爛漫 さくらシェーク
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620円~860円(税込)
ソフトクリームと桜の華やかな薫りが溶け合う、ひんやりなごむ飲み心地のさくらシェークです。フタを開ければ、桜の花びらをイメージしたピンク色のフィアンティーヌがお出迎え。一口飲めば、ソフトクリームのやさしい甘さと、春の訪れを感じさせる爽やかな桜の風味が口いっぱいに広がります。
写真を見た瞬間の違和感。
「ん?シェークなのに、ダルマグラス?」
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ミックスジュースなどのジュースには、ダルマグラスが用いられる。
対してシェークには、シェークグラスが用いられる。
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今回はシェークなのにダルマグラスなんだ。
どうして?
ダルマグラスの方が、シェークグラスより50mlほど容量が多い。
でもそれが理由になるのか?
単純に丸っこい見た目での採用?
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実物を前にしても、ダルマグラスの理由は見つからない。
スノードームの春バージョンみたいでかわいいね、くらい。
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ご覧ください。これがフィアンティーヌ。
上に散らされてる、ピンクのカリカリです。
薄く焼いたクレープ生地を粉砕したものだ。
定期的にコメダで用いられる材料なので、私がコメダ検定を作るなら絶対に取り扱う。
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去年は差し色になったり、植物の葉っぱを表現したり。
今年は桜の花びら要員としてスタート。
別に桜の味がするわけじゃないけど、華々しい雰囲気が出てるね。
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ストローを突っ込んで、まずはひと口。
うぅ〜ん、冷たい!
キンッキンに冷えてやがる!!
メニュー紹介には「ひんやりなごむ」とあったが、ひんやりどころの話じゃない。そりゃ液状のソフトクリームなんだから、冷たいのが当たり前なんだけど。
そして、桜の味がしっかりと感じられる!
ほんのりではなく、強〜く主張しているぞ。
このシェークは、あらかじめソフトクリームとさくら成分を合体させてある。
そのため、ミルクの甘さが上手く混ざり合っているように感じられた。
かなり量があるため、「この間まで寒かったのに、急に暑くなって汗が出る〜!」って時期に飲むと気持ちいいだろう。
私ですか?
私は「3日連続で3種を制覇する」というカルマを己で背負っているので、最高気温ひと桁の晩に、震えながら飲みきりました。
たとえ店内が暖かくても、途中から冷たさが厳しくなってくるんです。
身体が冷えて鳥肌が立つ。
私と同じカルマを背負う者以外は、暖かくなってから飲みましょう。
■春爛漫 さくらオーレ
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540円~780円(税込)
あたたかなミルクのほっとする甘さと、桜の華やかな薫りがふんわり鼻をくすぐる、春らしいホットドリンクに仕上げました。カップの底の小倉あんを混ぜていただくと、やさしい甘さが加わり、さらに豊かな味わいをお楽しみいただけます。
「カップの底の」小倉あんを「混ぜていただくと」だと〜!?
簡単に言う。そんなグルグル混ぜられると思うなよ。
この手のホイップ付きホットドリンクは、まずホイップが溢れないように格闘するところから始まる。うっかりスプーンを突っ込んで容積を増やしたが最後、待ち受けるのは地獄。
何度でも言うぞ。
ホットドリンクのホイップクリームと、グラスに入ったソフトクリームには注意せよ。
奴らは無限に溢れてくる。
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この写真だって、大慌てで撮ってますからね。
手前のカップを乗り越えそうなホイップを処理しなきゃ即負けです。
溢れそうなホイップを何とか削り、熱い液体に注意しながらひと口。
まろやかで、ほっこりした甘さ。
先述のさくらシェーク同様、ミルクの甘さが深く馴染んでいる。
こちらの場合、ホイップクリームが熱で溶け、さくらドリンク部分とよく混ざっているのだろう。
さらに温かさのおかげか、桜特有の青臭さが気にならない。
そこが苦手な人でも、このさくらオーレなら飲みやすいかもしれない。
ホイップ溢れの危機も乗り越えたことだし、底からしっかりかき混ぜていこう。
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混ぜてからちょっと経つと、フィアンティーヌだけ浮いてくる。
これがかなり綺麗で感動した。
水面に浮かんだ桜のようで、風情がある。
これを計算してるんならマジで凄い。
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さて、問題の小倉あん。
豆粒をすくって食べてみると、べたっとした甘さが口に広がる。
この濃厚な甘さが、飲み物の温かさに合う!
ところがカップからグイッと飲むと、小倉あんの粉っぽさが気になる。
小倉あんの微粒子が、歯ぐきにへばりつくのだ。
さらにこの微粒子のせいで、カップの飲み口がザラッザラになってしまう。ひと口ごとに飲み口をずらせば解決するのだが、そんな全周汚ねえカップの縁を店員さんに洗わせるなど、私にはできない。
まあ、ザラザラに関しては想定内だからいいや。
在りし日の小豆小町のホットは、総じてこの微粒子ザラザラ問題が気になっていましたからね。
予想通りで逆に安心するというもの。
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まだまだ寒いこの季節、コメダで暖をとり、さくらオーレでほっと一息。
何かを食べながらでなくとも、これ一杯で満足できる味わい。
素敵じゃありませんか。
■春爛漫 さくらアイスオーレ
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600円~840円(税込)
春らしい3色のグラデーションが見た目にも華やかな、満開の桜をイメージしたアイスドリンクです。グラスの底に小倉あんを忍ばせ、すっきりとした甘さのミルクに、ほのかな桜の風味が春の訪れを感じさせる一品です。桜のやさしい甘さと小倉あんのマリアージュを、是非ご賞味ください。
コメダのモバイルオーダーは優秀で、アイスドリンクを頼む際には「氷なし」を選択できる。
こんな寒い時期には、氷なしが助かるんだよね。
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あっ。これは失念していた。
氷の高さがなくなって、見栄えが悪い……。
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ふう。翌日にリベンジして事なきを得ました。
おまけに陽当たりのいい席だったから、ピンク色が綺麗に撮れた。
かき混ぜる前に、さくら色のドリンク部分だけを飲んでみる。
前の2品よりも、さらに桜を感じる!
本物のさくらの味を追い求める人には、このさくらアイスオーレがオススメ。
ホイップやソフトクリームなどのミルク成分が入っていない、さくらオンリーの液体を飲めるのはこれだけですからね。
桜の爽やかさと飲み物の冷たさが合わさって、目が覚めるような、すっきりさっぱり感。グビグビいけてしまいそうな飲みやすさ。
次は、ホイップクリームと混ぜ合わせる。
まだ底の小倉あんには触れない。
うーん、冷たいからホイップクリームとはあまり混ざらない。ホットの方が、ホイップとの相性が良かったな。
ホイップクリームが混ざると、味わいのさっぱり感が弱くなる。でもすっきりした甘さは健在だ。
さあ、いよいよ小倉あんをひと息に混ぜる!
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と言っても、豆粒は底に溜まり、小倉あんの微粒子が液体を漂うだけ。放置しているとすぐに層が分かれてしまうので、適宜ストローやスプーンで混ぜてやる必要がある。
小倉あんの濃い甘さがありながら、桜の味も強い。
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去年、のむ桔梗信玄餅というメニューがありましたが。
強いさくらの味と、小倉あん。
これは、「のむ桜餅」と言えるのでは!?
桜の青臭さをも感じられるような、すっきりとした味わい。
それは桜餅の葉っぱの表現とも受け取れる。
ひとつ注意したいのは、後味の甘さ。
ストローで液体と豆粒を一緒に吸い上げるので、口の中に入るタイミングは同じ。しかし、まずは桜の液体を飲み込んで、その後に小倉あんの豆粒を噛むこととなる。
そのため、後味は小倉あんの濃い甘さが残るのだ。
後味は甘いが、飲み物としてはさっぱりと飲みやすい。
この場合、しょっぱいもの、刺激のあるものとの相性が良さそう。
そうか、何らかのお食事メニューと合わせればいいのかな?
ハッ!?
こんなところに新商品が!?
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2月26日より、カラムーチョとのコラボバーガーが始まるぞ!
辛いバーガーと、すっきり甘い桜ドリンク。
交互に口にすれば、永久機関が完成!!
これでノーベル賞はキミのもんだぜ〜!!
まあ、私は辛いものが苦手なのでスルーなんですが。
本当にノーベル賞もんかどうかは皆さんでお確かめ下さい。
■まとめ(結論を急ぐ人へ)
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3種の春爛漫ドリンク、それぞれの所感を書き出してみた。
さくらシェーク
・唯一小倉あんが入っていない
・ソフトクリームとの相性◎
・キンッキンの冷たさ
・食べ物があると冷たさが紛れるかも
さくらオーレ
・唯一のホットドリンク
・ホイップとの相性◎
・小倉あんの甘さとの相性◎
・単体での完成度◎
・ひと口目の高温注意
・序盤のホイップ処理が難関ポイント(個体差あり)
さくらアイスオーレ
・飲みやすさ◎
・すっきりさっぱり感◎
・桜の青臭さの好みが分かれそう
・後味は小倉あんの甘さ強め
・食事のお供に良さげ
季節の変わり目は、何かと気温の変動に左右されがち。
自分が求めている温度や味わいによって選ぼう。
それにしても、最近のデザートドリンクはどれも優秀。
コラボだけでなく、オリジナル商品もちゃんと美味しい。
特に、小豆小町の亡霊たちは絶対に飲むべし。
ちゃんと小豆ドリンクとして楽しめますよ。
小豆小町が、桜という相棒を連れて帰ってきた。
これには往年のファンも涙を禁じ得ないことだろう。
■救いを求めて
余談。
コメダが自ら葬り去ったかのように見えた、小豆ドリンク。
まさか1年と経たずに相見えるとは思わなんだ。
こんなことされたら、今後もクビ商品が救われる可能性を考えてしまうじゃないの。
見なよ、私が愛したミルクセーキを。
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さっぱりとした甘さ、サラサラの喉越し。
私はずっと復刻を望んでいる。季節限定という形でもいいから救済してもらえないでしょうか。
もしもコメダが復刻人気投票なぞを開催した際には、皆さんミルクセーキに清き一票をよろしくお願いします。