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襖の向こう、日々。

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実家の和菓子屋を飛び出して、今日から箱根で仲居になる人のお話。初めての土地、初めての仕事、どうなるんだ。
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#詩的散文

富士山をみて、細胞が震えた

富士山をみて、細胞が震えた

今日はすこぶる天気がよくて風が気持ちよく感じられる日。
(実は、そろそろ花粉の飛び具合がきになるところ)
窓をぱあっと開け放ってふわりと部屋に入り込む風、
洗濯物がゆらりゆらりと心地よさそうに揺れていた。

初めての休日。
外に出かけたい衝動が抑えられない、
さっさと洗濯物を干し終えてしまわなければ。

掃除まで終えて時計を見ると、
もう9時を過ぎそうなところだった。
駆け足で玄関へ行き、扉を開け

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雨と風と、神様の降りる場所。

雨と風と、神様の降りる場所。

朝6時、カーテンを開けて
本日のお天道様のご機嫌を伺う。

今日はなんだか、気分がもわっと、ぶわッとしているらしかった。
窓から見えるいつもの山並みがことごとく隠れ、
代わりに霧なのか雲なのか、はたまた雨なのか、
白く不思議なもやがふわぁっと広がっている。

今日はお天気が悪いのか、と
すこしだけ憂鬱な気分になりそうだった。
でもやっぱり自然は粋な計らいをしてくれる。

もやがかかった山の下方から

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