きな粉道10粒目
第1クラックと
香ばしい匂いは
きな粉としての最低条件
これまでの数回は、いかに香ばしさを出すかに注目してみたけど、浅煎りを作って甘さが引き出せるのかを試してみる。まずは冷蔵庫で冷やしたパターンを。そこからフライパンで2度煎りし、煎り具合の調整もする。冷凍庫で冷やすパターンもやろうと考えていたけど、どうせなら1週間くらいじっくり冷やそうと思ったので今回はやらない。
材料&道具
・乾燥大豆(50g)
・フライパン
・木ベラ
・器
・ブレンダー
・キッチンの電気
・冷蔵庫
オーブンの代わりに、冷蔵庫が加わった。
濡らしたキッチンペーパーなどで拭いて、大豆についた汚れをとる。
油はフライパンにひかず、弱火で乾煎りする。焦がさないことが重要なので、木ベラで大豆を動かし続ける。
全く変化が起こらない。
冷蔵庫で冷やしているのと、できる限りの弱火にしているから、やっと全体的にひび割れてきた。
音も香りも全く変わらないけど、皮の表面に色がついてきた大豆がチラホラ。
8分ごろの状態から変化なし。さすがに火を弱くしすぎちゃったかもしれない。
皮は全体的に色づいてきた。けれど、第1クラックがはじまらない。心配ではあるけど、生焼けも怖いからもう少し続ける。
相変わらず変化はない。うーん、どうしたものか。
雲行きが怪しくなってきた。失敗したかも。
これ以上やっても、変わらなさそうなので火から下ろすことにした。
20分煎った大豆。第1クラックも香ばしい匂いもしないままやめたのは初めて。吉と出るか凶と出るか。
大豆の味がして美味しいけれど、グニャッとしていて口の中に残る感じがやや不快。本来の甘さは特に出ておらず、半分生焼けの大豆になってしまった。
明らかに煎り具合が足りないのがわかる。火加減が弱すぎたな。
20分煎った大豆の半分をフライパンに入れて2度煎りしていく。量が少ないと火の通り方も変わるだろうからやや心配。
全く大豆に変わりはない。
5分経っても動きはない。
フライパンが熱くなってきただけ。手が疲れてきた。
粘ること10分。やっと香ばしい匂いが。
香りが強くなってきたからここでお終い。
お皿に移してから、余熱のおかげか第1クラックが少しだけ起こってきた。
煎った大豆を触った時に熱く感じた。1度めの時はぬるかったから、やはり火が通ってなかったのだろう。グニャッと感はあるものの多少マシになった。香ばしさが少しついて、煎り大豆らしい味に近づいた。
火が通ったことがわかるような、良い感じの香ばしそうな色になってくれた。
まずは1度入りの大豆から削る。
熱が取れるまでしばらく置いて、大豆をブレンダーに入れる。
水分をまだ含んでいるからか飛んでいかない。
重さがあってブレンダーの刃に絡みにくいのか、なかなか削れない。
全然粉状にならなかったけど、いくらやっても削れないから諦めた。
生の大豆のままなのかと思うほどに白すぎる。
煎り大豆の時に感じた生っぽい食感はそのまま残ってしまった。大豆の甘さはやはりなく、豆っぽい味がそのままするだけ。きな粉とはほど遠い出来上がりになった。浅煎りといえども、第1クラックと香ばしい匂いがしないと、ただの大豆の粉になってしまうようだ。
きなこ帖で香ばしさの星をつけるなら★☆☆☆☆
きな粉らしさはなく、大豆の粉に逆戻り。
次は、2度煎りした大豆を削っていく。
2度煎り後の大豆も、粗熱をとってからブレンダーに入れる。
水分が飛んでくれた証拠なのか、容器のなかで勢いよく飛び回る。
少しずつおとなしくなってきた。
こちらも大豆の欠片が残っているけどこの辺で終わり。
見た目には茶色っぽさが足されている。
フニャっとした食感は少なくなったものの、まだ残っている。気持ちばかりの香ばしさはついたけど、風味づけされたかなくらい。味には反映されていなくて、まだまだ大豆の味が残っている。甘くもなく香ばしくもなく、中途半端な味になってしまった。
きなこ帖で香ばしさの星をつけるなら★☆☆☆☆
風味ばかりの香ばしさなので星1つ。
反省点
・大豆が冷えたままだと火は通りにくい
・弱火にしすぎて、いつもとの比較ができなかった
・火加減の調節に失敗した
・浅煎りとはいえ第1クラックが起こり、香ばしい匂いがしないと半生大豆になる
・1度煎りの時点で最低限煎らないと2度煎りしてもきな粉らしさが出ないかも
・2度煎りで第2クラックが起こるくらいまでやれば結果は変わったかも
・2度煎りするからと、最低なことに1度煎りの時に手を抜いてしまった
・大豆のままフライパンで2度煎りは可能
・ちゃんと煎らないとブレンダーでうまく粉にできない
・冷凍庫で1週間は冷やして煎りたい
弱火にしすぎて大失敗した。20分でやめないで第1クラックが起こるまで粘っていれば結果は違ったかもしれない。どこかで2度煎りするからと、大豆と真剣に向き合っていなかった。最悪だ。今回はダメだったけど、冷やして火の通りを遅くする方法は、やりようによっては有効かもしれない。甘みを引き出すべく、もう少し浅煎りができる方法を探していきたい。
大豆のままなら、フライパンで2度煎りできることは分かった。粉にしてオーブンに入れるのは、自動的にやってくれるからラクだけど、逐一様子を見られないという弱点はある。フライパンはずっと面倒を見ないといけないが、色、匂い、音を感じながら調整できるから、大量に作りたい時などは有効かもしれない。煎り方はとにかく練習あるのみ。
次回は冷凍庫で冷やした大豆を煎ってみる。今回よりもさらに火の通りが悪いだろうけど、音がしっかりするまで諦めずに粘ろう。それで浅煎りの甘さが引き出せたら万々歳だもの。フライパンでの2度煎りも試してみる。もし1回で浅煎りと深煎りができたらいいな。