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短くて短い詩のようなもの

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誰かはみていて、誰かはみていないけれど

誰かはみていて、誰かはみていないけれど

11.9(Sun)

高速バスでうとうとしてたら、遠くの方でくっきりと花火が見えた。
音のない11月の花火。

通路を挟んで左側の人たちは見れないんだな、と思う。
同じ側にいてもこの時間は寝てる人も多いから、
何人のひとが気付いてるかなって思う。

左側の人たちは、別の景色に心躍らせ、
眠る人は、素敵な夢を見ているかもしれない。

わたしには、知る由もない。

わたしが言葉にできるのは、11月の無

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月の光とスポットライト

月の光とスポットライト

月が隠れてしまったならば
それを追いかけわたしが現る

いつの間にやら間違えて
スポットライトを追いかけた
つかまえたかと思ったら
どうやら光が違うらしい

せっかく観客いるならば
ぽつりと言ってみたらいい
月の光を探しているの、と

ほんとに探しているのなら、集まる視線は関係ない
あなたが声にしたのなら、知ってる人がいるでしょう
知らない人が多くても、ひとりいるならいいじゃない
その方向へいって

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記憶の灰色

記憶の灰色

きみはよく聴いていて
ぼくはよく見ている

きみはよく覚えていて
ぼくはよく忘れている

きみは口ずさみ
ぼくは思い出す

あの風景を思い出す
あの日ビーチは土砂降りだった

ぼくは一人で居たはずだけど
きみはどこかで見ていたみたい

そんなことを知ってか知らぬか
とつぜんきみは口ずさむ

話したいけど話さない
ただ頬杖つく手を左にかえる
それだけのこと

これはぼくのひみつごと

紅茶か珈琲、いずれにしてもスコーンと一緒に

紅茶か珈琲、いずれにしてもスコーンと一緒に

満ちると消えた
満ちると消えた

書きたいことがなくなった

ただのひとりの
ひとりのわたし

目にしたいのは
予想もつかないすてきなこと

耳にしたいのは
予想もつかないすてきな音

わたしという名のフィルターを
いちまい通すだけだった

うすくてうすいフィルターから
出来上がるのは紅茶か珈琲

それなら どうぞ召し上がれ
スコーンと一緒に召し上がれ

おしまい

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猫とわたしとこの家と

猫とわたしとこの家と

どこまでも音がなく
どこまでも音がない

わたしがちょこっと出かけたならば

いつまでも音がなり
いつまでも音がなる

わたしが帰ってきたならば、静かな家がそこにある

音には色があるけれど
音がなくても色はある

ずっと秘密にしていたけれど 
うらもおもても猫は知ってる

ずっと秘密にしていたけれど 
表も裏もわたしは知らない

おしまい

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