「会える」ということ。そして、「会えた」ということ。
そこへ行くとなると往復5時間はかかる。
どのようにしたらそれを確保できるか…。
次々と埋まっていくスケジュールの中でいくつものハードルがあったけれど…
会いにいきたい!
その思いに様々なことが味方になってくれた。
午前中に都内へ行く用事ができ、夕方までの時間は、久しく会えていなかった親戚宅へ寄ることになったのだ。
もう行くしかない!
イベントサイトから予約をしたのは開催日の3日前だった。
阿部広太郎さんと田中泰延さんのトークイベントには、これまでもオンラインで参加(視聴)してきた。
それが
ようやく直に聴くことができる。
随分前の思い出が溢れる街「下北沢」でだ。
気持ちの昂りを抑えながらもかなり早く会場近くに着いてしまった。
ようやく入場時間を迎え、本屋B&Bの中へ入ると…
くまさんのような黒い姿の…
阿部さんに違いない人が控え室へ歩いていくところを見かけた。
思わず「阿部さん!」と声をかけそうになったが、イベント前に余計な話をしてはいけないので、言葉を飲み込んだ自分を少し褒めて冷静になった。
開会時間が迫り次々と来場者で席が埋まってゆき、お二人が入られるとそこは…
この瞬間を待っていました!という気持ちで皆の心が一体となったようだった。
お二人の掛け合いは、楽しさと優しさと誠実さ溢れるトークで、そこには互いの「リスペクト」が根底にあることが何よりの心地良さとなっていて、わたしたちは幸せな時間を共有させていただいたのだ。
当日の様子はアーカイブで見ることができる(6月4日まで配信)ので、多くの方にご視聴いただきたい。⬇️
終了後のサイン会。
列に並んでいる間は勿論、穏やかではいられない自分。
3年前に『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』を読んで以来、阿部広太郎さんの著書はすべて読み、様々な講習やトークイベントを視聴してきたわたしなのだ。
やっと「会える」時の心持ちはというと…
ドキドキというよりも、何か誇らしげな気持ちだったかもしれない。
「会いに来ました!」という事実を伝えたかった。
自分の番がついにやってきた。
会場で購入した『あの日、選ばれなかった君へ』にサインを書いていただいた。(鞄の中には既に読了した一冊が入っていたけれど)
ひろのぶさんにも『会って、話すこと』に可愛らしいサインを頂いた。
これからもお二人を応援していく気持ちはお伝えできたと思う。
わたしは2冊のサイン本に余韻を閉じ込めて急ぎ帰路についた。
実は
帰りの電車の中で読んだのは別の本だった。
前日から読み始めたその本にも強烈なパワーがあって、続きを読まずにはいられなかったので、トークイベントとは無関係だったけれど鞄に入れてきたのだ。
最終章を読んで
わたしはハッとした。
まるで『あの日、選ばれなかった君へ』や聴いてきたばかりの対談と合致するような内容だったのだ。
そして
「おわりに」の最後の一文にわたしは「会える」ことへの期待や、いつか「会えた」という事実の力を実感することに思いを馳せた。
その本は
三國清三著 『三流シェフ』
※わたしはいつか「オテル・ドゥ・ ミクニ」に行きたいと思いながら果たせぬままきてしまっていた。
帰宅した頃には日付が変わっていた。
色んな出会いに満たされた一日だった。