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「北風と太陽の話」とカウンセリングタイプ

こんにちは!!
ヤマキンです。
実は弊社では現在、HPのリニューアル作業を進めています。
コンテンツについてもいろいろ新しく作ることになっておりそんな中で、弊社のコンサルタントの紹介ページを作ることになりまして、それでいろいろな切り口からどうやって各コンサルタントの個性を表現しようかという話をいろいろ話合っています。
会社全体のこだわりとしては
①「求職者」に寄り添う(寄り添うという言い方だとその方の意向に沿うというニュアンスが強いですが、求職者自身が抱えているもやもやの言語化の支援を行うと、その方の意識が当初と随分変わることもあって、それって寄り添うという言い方ではないかも、という想いを最近感じています。)
②労働条件や給与も大事だけど、「やりたい仕事」重視で支援(これがなかなか言語化するのが難しいけど、それがこの仕事の面白さでもあり)
の2点があります。
関わり方のスタンスというか距離感というか進め方については各人の個性があるのですが、それをどうやって相対的にわかりやすく表現するかという話になったときに、「北風と太陽」の話で整理してみたらなかなかわかりやすかったのでそれを今回ご紹介してみようと思います。
北風と太陽の話について、簡単におさらいしますと、コートを着込んだ旅人のコートをどうやって脱がせるかという話になって北風と太陽がいろいろやって、最後に太陽がほかほかとあたためることで旅人が自らコートを脱いで太陽の勝ち!!
というお話ですね。

https://ddnavi.com/serial/1195532/a
『北風と太陽』あらすじ紹介。北風と太陽はどっちが勝った? 何
 

この話、実は外発的動機付け(それもマイナス)が北風、内発的動機付けが太陽という見方もでき、そういう意味では弊社の関わり方は基本的には太陽なんですけど、じゃあ具体的にどんな関わり方なのか?一人一人のやり方について書いてみますね~
状況としてはコートを脱いだほうが良いことは旅人はわかっているんだけど、でも脱いだら寒いんじゃないか??みたいな不安がもやもやしていてなかなか脱げない・・という状況です。
※ちなみに各人の個性をかなり抽出して強調していますので、実際は各々それぞれの要素も状況に応じて使い分けております。

その1(ワカ)


明るく元気に旅人と関わります。めっちゃ誠実で素直な性格なのでそのスタンスが旅人にもすぐに伝わって信頼関係を構築します。そして彼女は
「大丈夫、きっと寒くない、脱いだらきっとすっきりしますよ~。さあ、私も一緒に脱ぎますから、今から一緒に脱ぎましょう!!いいですか??ではイチ、ニィ、サン!!」
「やったあ、脱げましたね~!すごいですね~。さすがです~!!あ、素敵な笑顔になりましたね! 脱いだら、やっぱり気持ち良かったですよね~!!いやあ私も脱いで良かったです~ ありがとうございます!  すっきり!!」
そばにいて明るく元気に旅人と関わりつつ、励まして勇気づけるチアリーダーのようなかかわり方ですね(あ、そういえばこの方、学生時代チア部でした(笑))

その2(もぐ)


やはり誠実で素直な性格なんですが、励ますというより、一緒に行動しながらなんでも相談できる友達のような関係性を構築していきます。
「いやあ、昨日はさすがに寒かったので脱ぐのは無理でしたよね~。でも今日は昨日より暖かくなるみたいなので今日はきっと大丈夫だと思います。あ、でもやはり北風は冷たいみたいなので日当たりのよい、南向きの場所で脱いだほうがよいのかもしれませんね。
どうでしょう、脱いでみる気になりましたか??じゃあ私も一緒に脱ぎますね、でも私めっちゃ寒がりなんで本当は私も不安なんですけど、、良いですか??じゃあ一緒に脱ぎますよ~」
「ひゃあ、やはりちょっと寒いですよね。でもなんか体も心も軽くなってすっきりしましたよね~。
私もコート脱ぐのはちょっとまだ早いかなあと思っていたんですけど、今日脱いで良かったですね~」
こんな感じで、まさに友達感覚で一緒に行動するタイプです(笑)。
ちなみにここまでは旅人と一緒に自分もコートを脱ぐ派です。以降は自分はコートは脱がない派になります(笑)

その3(とおる)


まずは旅人の心理的安全性を高め、なんでも思ったことを話せる場づくりから入ります。そんな中でコートを脱ぐことに対する不安の言語化を促します。そして出てきた不安要素について一つずつ、客観的なデータからその不安要素を取り除いていきつつ本人に気持ちを脱ぐ方向に促していきます。
「一般的にコートを着用するとよいと言われる気温は7度以下といわれているみたいですね~
今日の気温は8度なので脱いでも大丈夫かもしれませんね~?
あ、でも今日は風が強いから体感温度がもっと低いはず??
あ、そうですね、じゃあ、風速調べますね。
調べたところ南西平均3Mの風のようです。ちなみに昼過ぎにはその風もやむそうなので、昼過ぎだったら脱いでも寒くないかもしれませんね~
ちなみにコート平均重量が3.5キロといわれているので、それを脱ぐとそれだけ肩こりが軽減されるかもしれませんね~」
人は未知のものに不安を感じる生き物なのですが、とおるは不安の原因となる未知を気軽に話せる関係性を構築して話せる場を作り、それを一つずつ未知⇒既知に変えることで不安要素を取り除いていくという進め方をしているようです。

その4(ぽんぽこ)


この方は、旅人のコートを脱ぐことへの不安を言語化してそれをひとつずつ取り除いていくという手法をとっていてそういう点ではとおると似ています。ただとおるはその不安の言語化を客観化し、客観化の中でその有効性を示すことで解消に導きますが、ぽんぽこはロジックでその不安を解消していきます。
ロジックといっても相手を論破するのではなく、本人が不安に感じている思いを受け止めつつ、その理由の矛盾や言語化されていない要素を明らかにしていきます。トラウマがあったり、苦手と思い込んでいることに、当事者だけで向き合うことはかなり苦しいので、不安の要素で思考が止まっていることが多いようです。ぽんぽこは丁寧に伴走しながら思考停止の部分の整理を行うことによって、本人の気づきを促し、不安を消していくという手法をとっています。
「ああ、それって単なる思い込みだったんだ!!」という気づきを与える感じですね。
「昔、コートを脱いでそんなつらい目に合われたんですね、それは本当に大変でしたね~。そんな思いは二度としたくないですよね、よくわかります。ちなみに上着を脱いだらとても快適になったというご経験はおありでしょうか?あ、コートじゃないけど初夏にそんな経験をされましたか?その時どんなお気持ちになりましたか?だとするとコートを脱いだらやはり同じようなお気持ちが得られるかもしれませんよね~
コートを脱いでつらかったというのは脱いだ時めっちゃ寒かったという点でのお気持ちなので、脱いでも寒くないという状況であれば脱ぐという行為の快適さは味わえるのですから、コートを脱いでも絶対に寒く感じない状況ってどんな状況になるのかをもう少し整理してみましょうか?・・」
こんな感じかなあ・・(笑)
とおるとぽんぽこは旅人のコートを脱ぐという行為にたいする不安要素の解消に焦点を当てた関わり方という点で共通点があります。さて残り2名は不安の解消というより、本人に自発的な意識の変化に焦点を当てていくスタイルです。

その5(でぐみう)


当社のコンサルタントの中で一番人に対する好奇心が強いのではないでしょうか?なので彼女は旅人に対して一番深く問いを立てていきます。コーチング的手法でアプローチするのでその対話の中で旅人自身の自己理解も深まり、気づきを得て行動変革(コート脱がない⇒コート脱ぐ)に至ります。
「あなたがコートを脱ぎたくないと思い始めたきっかけがあれば話していただけませんか?その時、どんな風に感じたのか覚えていればお話いただけませんか?
その時、コートを脱ぐことに対して感じた不安についてもう少し具体的にお話いただいてよいでしょうか?」
行動や意識、感覚の意味性についての問いを繰り返してその根底にある本人の無意識な価値感の言語化を促すスタイルです。なので、意外な視点からの問いが飛んできて、それにこたえているうちにどんどん自分自身の理解が進んでいき、その結果「今コートを脱いだほうがいいんじゃない!!」という自発的な動機づけが形成されていきます。

その6(ヤマキン)


人ってめっちゃやる気になる瞬間とか、夢中になって時間がたつのを忘れて物事に熱中するときがありますよね。ヤマキンは人には誰でもそういうスィッチというかツボ(秘孔か!!(笑))があると思っていてそれのことを「わくわくのツボ」と呼んでいます。ヤマキンは求職者の「わくわくのツボ」を捜すのが好きなので、会話の中でそういうやり取りを行います。
「このコートは新しく購入されたのですね。どうしてこのコートを選ばれたのですか?」
「なるほど、大事なのはデザインよりも素材なんですね。」
「ちなみにその素材についてどのような点が良いとお感じになりました?」
「なるほど、肌にあたる感じがふわふわしているのが良いのですね?なるほど、ではふわふわしている素材で他に好きな素材はどんなのがありますか?」
「おお、結構色々な素材が好きなんですね?そうかつまり貴方はふわふわした肌ざわりの素材が好きという事なんですね?だとするとこれからの季節、コートだとちょっと暑くなるので同じようなふわふわした素材で春らしいデザインの服に着替えたほうが気持ちよく感じられると思うのですがいかがでしょうか?」
ちなみに時々、下記のように暴走することがあります(笑)。
「コートの話はさておき、これまでに何かに夢中になったことがあればお話していただけますか?
なるほど、つまりその時にはあなたの「わくわくのツボ」をこういう感じでついたみたいですね~?つまりあなたの「わくわくのツボ」とはこういう状況で発動するわけですよね?
という事であれば、あなたはコートを脱ぐという行為に対してこういう意味性や目的を持たせることができると、コートを脱いだという結果、寒かろうが、寒くなかろうが関係なくわくわくできるのではありませんか?」

まとめ


こうやって整理してみると同じ会社の仲間でも、関わり方、問いの立て方、接点が異なっているのが面白いと思いました。
私たちは転職エージェントは1on1で求職者と関わることが多いのです。けれどこうやってある程度各人のタイプを整理しておくと、いつもの自分のやり方ではうまく行かないときに別の人のやり方でアプローチしてみたり、合いそうなタイプの方に声をかけて合同セッションやったりするのもありだなあと思いました。
私たち自身が自分らしさに向き合うとこうしたタイプというのはまさにその人らしさだと言えると思います。どのやり方が良いとか悪いという議論にはほとんど意味がなく、それぞれが自分らしさとやりたいやり方にこだわりつつ、創意工夫を続ける事が大事だよなあと感じました。


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