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2024年の最高傑作を選ぼう


作者が最高傑作だと思っているものはその時点でほぼ駄作なのですが、そういうことも踏まえつつ読んでいただければと思います。


今年撮った写真の中で一番はどれだろう?
そう考えた時、最初に思い浮かんだのはこの写真です。


上総牛久駅 Nikon F3/T Nikkor 50/1.4 7月4日の記事より


「ああ、自分にもちゃんと写真が『撮れる』んだなあ」と思った一枚です。わたし的にはこれが今年の「写っている」写真でした。

似た理由でこの写真も好きです。


石北本線車窓 Nikon F3/T Nikkor 50/1.4 2月24日の記事より


どちらもフィルムで撮った写真です。

デジタルカメラを持つときは、なんとなく心が「撮るモード」になっていて、「撮るべきもの」を探して「キメに」いってしまいます。でも、それっぽいものを思い通りに撮ったところで、面白くもなんともありません。

一方、フィルムカメラを持っている時には「撮ろう」という意志があまりありません。風景に呼ばれて、流れるように、ほとんど無意識で撮っています。だからちゃんと「写る」のだと思います。

フィルムが持つこの力はデジタルがあってこそのものです。
思い通りに撮るためにはデジタルの方が適しています。だから、フィルムカメラを持っている時には最初からキメようとしなくなるのです。(デジタルのない時代にはフィルムでキメにいっていました)

デジタルがあるおかげで、フィルムは新しい力を持ったと言えそうです。


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デジタルで撮った写真で印象に残っているのは、たとえば最近の記事に載せたこの写真です。


大竹海岸 EOS 6D SIGMA 50/1.4 Art 12月9日の記事より


これをいい写真だと思うのは、「長年連れ添った愛車と別れる日の朝に撮った」という個人的な思い入れのせいです。そんなことは関係ない第三者にしてみれば、どこにでもある平凡な一枚に過ぎないでしょう。

思い入れのある写真を見せるなら、その背景にある物語も含めて見せていく必要があります。(それが、わたしがnoteに記事を書いている理由でもあります)

デジタルでも、どう写るかわからないままシャッターを押しているような写真は面白いです。この写真もノーファインダーで走り回りながら撮りました。この日の写真には好きなものが多いです。


大竹海岸 EOS 6D EF24/1.4LII 5月7日の記事より


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今年いちばん使ったカメラはもちろんEOS 6Dで、そのあとはRX1REOS 5DsF3/Tと続きます。持ち歩いた時間ではF3/Tが6Dに次いで2番目に長いと思います。EOSでよく使ったレンズはSIGMA 50/1.4 Art、Planar 50/1.4、EF24/1.4LIIの順。F3/TではNikkor 50/1.4しか使っていません。

最近になってNew F-1のファインダーの良さをあらためて感じているので、来年は長い付き合いのこのカメラの使用機会が増えそうです。


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というわけで、今年もありがとうございました。

新年のはじめって、無理に新しさを求められているような、急かされているような、だけど楽しまないといけないような、桜の時期と似た感じで疲れる時でもあります。そのしんどさをテキトーに受け入れつつ、できるだけいつもと変わらない気分で、お正月を乗り切りましょう。

みなさん、よいお年をお迎えください。


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kimura noriaki
「科学」と「写真」を中心にいろんなことを考えています。

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