目標達成へ自分を動かすのは「カレンダー」か「To Doリスト」か
コーチングの観点から言うと、思い込みに気付き理解してもらうことも大切なのですが、それ以上に、クライアントさんに確実に行動してもらう、ということが大切なのです。
日常的にはコーチが日々のタスクを管理できるわけもなく、自己管理が必要になってくるわけですが、その自己管理をする際に「どんなツールをよりどころにするか」というのはとても重要なことなのです。
そういった日々のタスク管理を何のツールに身をゆだねるか、ということについてお話ししていきます。
マイルストーンをいかに置くか
コーチングをする際に、まず達成すべき目標、ゴールを設定します。
旅行に例えると、目的地を決めるわけですが、コーチングでは、その目的地に行くことで何が得られるか、そしてその目的地に到達したことがどのようにして分かるのか(測定手段)をまず決めていく作業を行います。
解像度を上げて、実現可能性を上げていくわけです。
こうしてゴールが決まったら、次にゴールに到達するまでの経過ポイント、最終的な目標(大目標)に対して小目標を定めていくわけです。
これをマイルストーンと言ったりもします。
東京から大阪へ向かうとして、新幹線で向かうとしたら、
途中に新横浜があり、名古屋があり、京都があり、という風に
経過ポイントを決める。
スタート地点では大目標は遠く見えるかもしれませんが、マイルストーンを確実にクリアしていけば、着実にゴールに近づくのです。
つまり、マイルストーンをいかに設定するか、というのは大目標に到達する上でとても大切なのです。
やるべきことをリストに書き出す行為の効力は?
人は、何か目標を立てた時、「やるべきこと」をリストとして書き出すことが多いですよね。
いわゆる「To Doリスト」というやつです。
マイルストーンを設定する際にも、この作業というのは大切なのですが、
どちらかというとアイデア絞り出しとやるべきことの在庫管理という意味合いが強いのではないでしょうか。
このTo Doリストのデメリットは、いくらでもリスケ可能な点です。
納期を自分の都合で後回しにしても良いのだから、「強制力」としては弱いのです。
To Doリストにお尻を叩いてもらう、というのは少し難ありです。
時間に自分を追い立てさせるにはカレンダーアプリ
では、日常的なタスクの実行を担保するにはどうしたらよいか、という点。
言い換えれば、自分のお尻をどのように自分で叩くか、ってことです。
昭和の話かもしれませんが、昔の漫画を見ていると、漫画の作者が締め切りに追われてアタフタするというシーンがありました。
わたしたちの中にも、子供の頃、夏休みの宿題を8月31日に慌てて片付けるということをやった人がいたかもしれません。
要はケツ叩き役は「時間」がもっとも効果的なのです。
現代ではそのケツ叩き役は、アラームで納期を知らせるカレンダーアプリに任せることがもっとも効果的です。
実際にわたしのクライアントである、とある企業の役員の方も、動けない自分を何とかしたくてコーチングをした結果、このカレンダーアプリでの管理に行きつきました。
「いや、そんな単純な。。」と思うかもしれませんが、怖い犬が後ろから追いかけてきたら走るしかないのですから、結局原動力なんて「追いかけられるプレッシャー」というシンプルなことなのです。
「カレンダー」と「To Doリスト」では切り口が違う
では、To Doリストが効果が無い、使い勝手が無いのかと言えばそうではありません。
使う「用途」が違うだけです。
To Doリストはゴール達成のための手段、タスクが詰まった、目次のようなもの。
これを網羅することでゴールを手に入れられるわけですから、やはり重要。
カレンダーは、自分を追わせる強制力になり得るので、使う用途が違うわけです。
カレンダーは「時間」という切り口を持っているとすれば、
To Doリストの切り口は「優先順位」「フェイズ」です。
二つをうまく併用して、機能させることこそゴール達成の秘訣と言えるでしょう。