イベントレポート「THE CLOUD EXPERT -Salesforceを徹底的に使い倒す-」第1部講演セッション #cloudexpert
FORCAS社主催のイベント「THE CLOUD EXPERT -Salesforceを徹底的に使い倒す-」に参加しました。
前回のnoteに続き、またイベントのメモを取ったので、noteにレポートを残します(前回のnoteはこちら)。
当日は満員で、参加者のSalesforceとの関わり方は、セールス4割、 シス管3割、 マーケ2割、その他1割のような割合でした。
Twitterのハッシュタグ(#cloudexpert)が用意されていましたがほとんど誰もTweetしていなかったため、当日の内容が気になっていた方の参考になれば幸いです。
全体まとめ
全体を簡単にまとめると、以下のような内容でした。
第1部
Salesforce社の営業マネジャーが登壇。Salesforce社自身が実践しているメソッドが紹介されており、Salesforceに詳しくない社内のマネジャーや経営者にSalesforceの思想や活用イメージを理解してもらうための良い素材になりそうな内容でした。
第2部
①どうSalesforceを使っているか、②ビジネスへのインパクト/変化(カルチャー含め)、③もっとSalesforceを使いこなしていくために、という3点が主要テーマ。導入決定してたあとの管理者/リーダーの「転ばぬ先の杖」となりそうなTipsを豊富に紹介していました。
第3部
実務でもSalesforceを活用しているAppExchenge提供者同士の対談。「なぜSalesforceを使うのか?」という根本的な問いから、「結局使い倒すには何が必要なんだ?」という実践的な話まで幅広くカバーしていました。
ということで、ここからは各セッション毎のメモです。
第1部 講演セッション:株式会社セールスフォース・ドットコム セールスディベロップメント本部 広域営業部 部長 成田 麗子氏
第1部は、Salesforce社から自社のSalesforce活用法をご紹介。
Salesforce社自身、Salesforceを世界一使っている自負があるそうです。年率25%成長を15年間続けているのも、Salesforceを使い続けているから。
はじめに、書籍にもなっているSaaSのビジネスオペレーションモデル"The model"の解説がありました。
そもそもThe Modelとは?
マーケティング、インサイドセールス、外勤営業、活用ご支援を連携しながら分業するオペレーションモデルのこと。
各部署が分業しつつ、繋がっているので、同一の顧客データを複数部署でも一元で把握できるSalesforceが管理ツールとしても最適。
ここから、各部門での使い方を解説。ちなみに成田さんはセールス経験が長いので、マーケ、サクセスのパートは軽めの解説だったようです。
・マーケティング部門編:「見込みのお客様を作る」に尽きる
まずはマーケティング部門の役割と業務について簡単に紹介。
マーケティングは見込みリードを作り、Sales部門にパスする役割と定義。
Salesforceのキャンペーンを使って、各種イベント情報と費用と効果の管理をする。ダッシュボードで俯瞰してマーケティングの効果を振り返る。その際は、インサイド、外勤営業と一緒に、「またこの施策をやるかどうか」を振り返ったりする。
・インサイドセールス部門編:見込みのお客様にフォローして、外勤営業に良質なお客様をパスする
インサイドセールスは、1.マーケからのパスまたは2.アウトバウンドの2通りのアプローチ方法により、次に控える訪問営業部門チームへ見込み顧客をつないでいきます。
1.インバウンドリードへのアプローチ
ナーチャリングが非常に重要。マーケからのパスですぐに提案できるのは5%。ナーチャリングをするからSalesforce社は20%もの商談化率を誇る。
見込み顧客は、インサイドセールスメンバーに自動で割り当てられる。
割り当てられたら、以下の手順で業務をこなしていく。
インサイドセールスの業務手順
①重複確認して、アプローチ可能か聞く
②情報収集:A.経路と過去履歴、B.15分でWebsiteとSocial確認
③提案の機会があると判断すれば商談作成
④作成した商談情報で外勤営業と情報連携
まずは、①アプローチしてよいかの重複確認の後、②流入経路を含めた相手のビジネスの確認する。
相手ビジネスの情報収集は、WebサイトやSNS情報を手早く調べる。相手のビジネスに関して会話できる状態にし、③提案できそうなら商談化。商談で見込みが高い状態に温められれば、④外勤営業につなぐ。
なお、リードのナーチャリング状況はAIも用いて確認している。セールスマネジャーはAIのスコアが高いのに逃しているリードがないかを確認する。
2.狙って攻めるアウトバウンド型のアプローチ
なお、マーケティング部の施策だけではなく、インサイドセールスが直接顧客を狙ってアプローチするアウトバウンドのアプローチも行う。
こちらでは、インバウンドとは違い、先に企業調査を済ませ、優先順位が高い企業からランク付けをしている。
ランクが高い企業に絞って、電話やDMなど重点的にリソースを割いたアプローチをおこなう。
なお、外勤営業につなぐ際、お客様の成約までの状況を共通言語で把握できるように「フェーズ」というものを定義。フェーズは売り手目線ではなく、買い手(お客様)目線で作られており、お客様の検討段階に応じて進むつくりになっている。
フェーズ0~2はインサイドセールス、2から8までは外勤営業が担うそう。
インサイドセールスのKPIもフェーズ2まで行った顧客数、そして受注金額となる。フェーズが進んでいない案件にいくらタッチしても、評価されない。
インサイドセールスのプロセス改善のためには、より細かいKPIも設定して、メンバーごとに可視化。問題をいち早く検知することでマネジャーは適切なフォローが可能になる。
・外勤営業部門編:フェーズを2から8まで進める
外勤営業は、インサイドセールスから無事フェーズ2の案件を引き継がれた後に、フェーズ8の成約までを担う。
フェーズを上げていくためには、Success Selling Methodology(SSM)という手法を使って、営業を進めていく。
SSMは2割の優秀な営業の営業手法を、残り8割に浸透させる方法論とのこと。
いち顧客に対するすべての商談結果はSalesforce上で紐付いているので、商談が進んでいない案件や、リスクがあれば、ManagerがSSMに基づいてChatterでフォローする。
成約直前の案件ではなく、継続的な成長のために、各フェーズの進捗を管理する。目前の成約だけでなく、予材を枯渇させないことも大事。
・サクセス部門編:継続的なお客様の成功のために
Salesforceを成約したら終わり、ではないので、お客様が結果を出すための"サクセス"チームが、お客様を引き継ぐ。
Salesforce導入者の思い入れのある仕様を盛り込んで導入して終わってしまうと、結果的に活用が進まない。継続的な改善をしていくためのフォローが重要。
Salesforce社はEWS(Early Warning System)を使って利用状況を可視化し、適切なサポートが必要なお客様を事前に検知ししている。
最近はAnalyticsの機能を全社で活用して、全社でPDCAを加速しようとする動きがある。
完全に余談ですが、終始関西弁なのが良かった。
6/24修正)第2部, 第3部レポート
イベントレポートが長くなり、見出しの区切りが粗かったので、レポートを分割しました。
第2部はこちら。
第3部はこちら。