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キャッシュレスを語るなら知っておきたいカード会社の話。妄想で学ぶクレカ勉強会 ~前編:イシュアーとアクワイアラー~ #キャッシュレス #クレジットカード
(はじめにちょっと業務連絡)
先日の記事に書いた、
キャッシュレスアワードの申込期限を2日延長しました
「できるだけ多くの実践例を集めたい」という思いはもちろんありますが、以下の3つの理由があり延長することにしました。
アワード延期の理由
・当初「11月末締切」は区切りの良さで設定したのですが、月末は忙しく投稿の時間が取れないという声があった
・アワードの応募は土日のような時間を使って行う人が多い(私も経験があります)
・いずれにせよアワードの審査は月曜から行うので、土日を締め切る必要はない
もっと言えば、月曜の審査時間までに間に合えば問題ないので、日曜の深夜0時を少し過ぎたからといって審査対象にならないわけではありません。
ということで、皆さまの投稿を引き続きお待ちしております!
...というので終わるのも味気ないので、今日も引き続き「キャッシュレス」ネタを。
配属まもなく、社内でクレカ勉強会をやりました
「教えることで学ぶ」という記事を先日書きました。
私は今年の3月にクレジットカード担当になったのですが、自分の勉強のモチベーションを高めるため、その月のうちに社内クレカ勉強会を開きました。
クレカ業界の仕組みは複雑なので、初めてクレカについて知る人でも分かるように、妄想しながら学べるコンテンツを作りました。
遊び心多めの内容ですが、参加者の評判も良く(NPSスコア67)、連携カード会社に人にも褒められたので、今回はその内容を紹介します。
妄想して学ぶクレカの仕組み(前編:イシュアーとアクワイアラー)
目次
・クレカの主要プレイヤー一覧
・「クレカ取引は異常」説
・もし、カード取引が普及していなかったら:加盟店編
・もし、カード取引が普及していなかったら:カード会員編
・イシュアーとアクワイアラーの役目
・カード取引の普及と次の記事の紹介
クレカの主要プレイヤー一覧
クレカ業界は以下のプレイヤーで成立しています。
クレカ業界の主要プレイヤー
・ブランド
・イシュアー
・アクワイアラー
・加盟店
・会員
・決済代行業者
カードを使っていても、各プレイヤーが何をやっているのか知っている人は少ないのではないでしょうか。
関係を整理すると、以下のような図になります。
引用元:2012年11月国民生活より、山本正行「クレジットカード知っておきたい基礎知識」
具体的な社名の例を挙げると、以下のような会社があります。
見たことあるロゴも多いですね。
でも、覚えろと言われても結構無理。
というか、ここまで読み飛ばしている人も多いかもしれません。
私自身、最初は「アクワイアラー」って結局何やっているのか、なかなか理解できませんでした。日本ではイシュアーとアクワイアラーを兼任していることが多いので、うまく切り分けてイメージしにくいというのもあります。
...と、もうすでに言葉に馴染みがなくて、置いてけぼりにしている感があります。
実際に勉強会をやっている時も、このスライドまで来たときに、不安な顔がポツポツ出てきました。
なのでここからは、やり方を変えて、参加者に妄想してもらいながら、クレカの仕組みを理解してもらうことにしました。
「クレカ取引は異常」説
突然ですが、いまから「クレカ取引は異常」という話をします。
もうちょっとだけ、我慢して読んでください。
クレジットカードの取引を冷静に振り返ると、以下の2コマで表現できます。
カードを出して、
受け取って支払う。
・・・異常じゃないですか?
もし、カード取引が普及していなかったら:加盟店編
では、クレジットカードがまだ存在しない世界を想像してください。
ある日、お客さんが見たこともない「信用カード」と書かれたカードを見せてきました。
あなたは、店(加盟店)の人です。
見たこともないカードを持った人が、「このカードで商品を買いたいんですけど」と訪ねてきたらどう思いますか?
「ヤバいやつ来た!」ってなりますよね。
そこで、登場するのがイシュアーの「イシュじい」です。
「このカードは大丈夫ですよ」と、カードの所有者をフォローします。
このとき、あなたが店の人だったらどう思いますか?
...ヤバいやつ増えた!ってなりますよね。
ここで、信用してもらうために、「イシュじい」は頑張ります。
あなたが店の人だったら、イシュじいが、何を言えば信用しますか?
イシュじいは、こう言います。
ここまで言われたら、店側のあなたはどう思いますか?
きっと、
ちょっと引きます。
これが「イシュアー」という人がやっていることで、イシュアーはカード会員を守るために、以下の役割を担います。
イシュアーの主な役割
イシュアーはカード発行業務と会員獲得を行います。無担保で信用付与するため与信の重要度が高く、入金管理など運用業務も重要な役割です。
・与信(信用を与える)
外部の信用情報、法律、自己申告情報をもとに、独自の審査システムにより与信をおこないます。
・入金管理:
カード会員からの入金を受け付けます。不払いの場合は督促も行い、売上情報を管理するシステムも構築します。
・カード発行業務:
カードの発行・管理をします。不正を防止しつつ、リアルタイムな取引を可能にするために高度な製造技術を使います。
・会員獲得:
カード利用者を増やすために、さまざまな手段で、新規会員獲得を図り、業界全体の魅力を高めます。
もし、カード取引が普及していなかったら:カード会員編
では、逆に客の立場にもなってみましょう。
あなたは、決済するだけでお金が自由に引き出される便利なカードを持っています。
初めて会う定員さんに、そのカードを貸してと言われたら、貸しますか?
「渡して大丈夫?」って思いませんか?
店の人は「安心して」と言いますが、
むしろその言葉も怖くなりませんか?
そこで、登場するのがアクワイアラーの「アクちゃん」です。
アクちゃんが、「大丈夫」だと安心させてくれる…。
…わけないですよね。
では、ここでも考えましょう。
アクちゃんが何を伝えれば、あなたは大切なカードを安心して渡しますか?
で、アクちゃんは、ここまで頑張ります。
そこまで言われると、あなたはきっと…
…ドン引きです。
でも、アクワイアラーは、カード会員が安心してカードを使えるよう、加盟店をしっかり管理する役割を担います。
アクワイアラーの主な役割
クレカは使われてこそ利益が上がるため、加盟店獲得は重要な役割です。一方で、事故は業界の信用毀損につながるため、与信や管理にも力を入れます。
・加盟店与信(信用を与える)
加盟店情報センターや、事業内容のチェックをし、トラブルの可能性などを避けるために与信を行います。
・加盟店管理:
不正な取引があった場合、ブランドからの制裁を受ける可能性もあるため、加盟店の管理は継続して行います。
・チャージバック:
イシュアー経由で支払い拒否の申し出が合ったときは、金額の返還要請(チャージバック)を受け入れなければなりません。
・加盟店獲得:
いわずもがな、カードを使える店の開拓は重要です。
カードを使いたい人の信用を審査し、カードを発行。さらに発行者の尻拭いまでするのが、イシュアー。
そして、カードを使える先を開拓し、安心してカード会員が支払いできるよう管理するのが、アクワイアラーです。
この2者の機能が組み合わさることによって、初めてクレカによる取引が成立します。
クレカ取引の仕組みがあれば、会員側は後払い購入が可能になります。加盟店は手持ちの現金が無い顧客でも取り逃がさずに済むのがメリットです。
そんなクレカのメリットによる営業機会損失の回避や、代金回収のニーズがある分野を中心に、様々な業種をルーツにしたカード会社が生まれます。
そしてカードが普及することで、新たな苦労が発生します。
それを解決するのが、決済代行業者とブランドの機能です。
…と、ここまで書くのに結構時間がかかったので、一旦これくらいで切ります。
ニーズがあればまた続きを書きます。
キャッシュレスアワードは日曜までです!
ビジネスでキャッシュレスの実践者する皆さん、是非ご応募くださいね!