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自作作品集📚

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完全オリジナルです。楽しんで貰えると嬉しいです!
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#掌編小説

【短編】よるの大侵攻

遠藤のテリトリーは朝と昼である。 彼の19年間の人生は夜とは全くの無関係で、それは人様の領…

さかいめ
1年前
13

【短編】 しめじとコーヒーと大人

美織は、しめじがとてもとても、それはもう視界にも入れたくないほど、嫌いだった。 あの独特…

さかいめ
1年前
12

『薄膜の力学』【短編】

コーヒーの香りが漂う、30人弱が座れるそんなお店。客が外から春を連れてきて、コーヒーとぬる…

さかいめ
1年前
10

『敬具 10年後のあなたより』

10年前の私、お元気ですか。 記憶によれば22の私は元気だったと思います。 今年で私も32にな…

さかいめ
1年前
10

『淡々に幸』

早朝のキリっとした空気と、缶コーヒーがお腹を温め充たしてゆく感覚を今日も味わう。後ろにい…

さかいめ
1年前
8

『欠けない剣、重たいシャボン玉』

諸刃の剣、それをゆっくりと鞘から引き出してみる。あるいはシャボン玉を手で包み込んでみよう…

さかいめ
1年前
8

『土曜午後4時、瞬間的懐古』

世界は万華鏡で、ただのビーズが敷き詰められた現実が、自分のバカな目のせいで複雑に絡み合っているように見えているのであって欲しい。 和紙で包まれた万華鏡、その感触を指で確かめる。ざらついたような、滑らかなような、部分によって違うその感触。 特になにをするわけでもなく達也は時間を潰していた。手にある万華鏡は随分昔に恋人から貰ったものだった。 溌剌とした人で、彼女にとって世界は1+1の計算よりも明快なものだったかもしれない。 達也は彼女のそんなところに惹かれて、そんなところに違