先天性心疾患⑥心臓の手術

再入院の日、末娘は1歳の誕生日でした。
チアノーゼも軽く無酸素発作もなく、8.5キロまで成長してくれました。
前倒しの誕生日祝いには、泣かずに一升餅を背負い伝い歩きをしてパワフルなところを披露してました。
私は元気だよって言いたげな顔をしてました。

手術は朝一番の8時過ぎ。
朝3時には絶飲食になるので、目覚ましをかけて授乳をしました。
いつもは両方飲まずに寝てしまうのですが、この時ばかりは両方飲んで満足して自分から離しました。（何か察知してたのかな…）
集中治療室にいる期間が長ければ、そのまま卒乳しちゃうかも知れないので最後の授乳かも知れないのです。

朝7時頃から血圧や酸素濃度や浣腸したりなど、少しだけ不機嫌にはなりましたが穏やかでした。

8時10分に看護師さんが迎えに来て、抱っこして手術室まで行きました。
これから手術する患者さんで手術室はいっぱいになってました。
ずっと抱っこしてましたが末娘はギュッと私にしがみついてました。
順々に名前が呼ばれていき、末娘の名前が呼ばれた時、泣き出しました。
自分の身に起きていることがわかってるんだなと思いました。
泣いてる末娘を離したくなかったけど、おいでと手を出されたので「お願いします」と託し、足早に連れて行かれました。
今まで抱っこしていた温かさが消えて、泣いてる末娘の声も聞こえていて、泣かないと決めていたのに泣き崩れてしまいました。
5分は動けず、末娘の泣き声も聞こえなくなり奮い立たせて何とか手術室を後にしました。
電話をしたり預かってもらう荷物をまとめたりして、やれることは早いうちに済ませておいて、家族控え室で手術終了予定時刻が来るのをひたすら待ちました。

予定は8時間でした。
でも一向に呼ばれる気配がなく不安で不安で堪りませんでした。
看護婦さんに声をかけてみたら『まだ何も連絡はありませんが、何かあったらすぐ連絡くるので順調にいってると思います』と言われて、少し落ち着きました。
家族控え室に戻り、10時間になった頃に『手術が終わりました』と連絡がきました。
その後、ICUで呼ばれるまで待機してました。

ICUに呼ばれマスクに消毒し、末娘の元へ向かいました。
（きっと今のICUはもっともっと厳重だろうなと思われます）
末娘はたくさんの管で繋がれ、ぐっすり眠ってました。
「頑張ったね」と、ホッとしたのと、「痛い思いさせてごめんね」なのと、「朝まで元気に笑ってたのに」と、複雑な気持ちでまた泣いてしまいました。
手術頑張って戻ってきてくれました、ありがとう。

担当医師の話。
出血が多くてやはり輸血をしたとのこと。
そして肺動脈弁が小さくて温存出来なかったけど、形成しましたとのこと。
不整脈もないし順調とのこと。
うまくいきましたと言ってくれました。

それから少し側にいましたが、時間制限もあったので完全看護だしICUを後にしました。
何日泊まるかわからないけれどICUにいる間はホテル泊になり、あんまり寝てなかったので夜の面会は行かずに休むことにしました。

翌日、朝一の面会に行きました。
ぐっすり眠ってましたが、昨日より管が減ってました。
まだ手術した部分の出血があり、安静にしなきゃいけないので引き続きICUでした。
末娘は活発なんで、心臓が無理しない為にもその方が安心です。
写メを撮るのをためらってたら、看護婦さんが『大きくなったら傷跡と共に頑張った証拠だよって見せてあげられるんで是非撮ってあげて下さい』と言ってくれました。
（当時これは不謹慎なのだろうか、と悩みましたが、看護婦さんのこの言葉で写真という記録を撮っておくことを大事に思うようになりました）
（撮っておいて良かったと今も思います）

ICUは朝昼夕3回だけの時間制限のある面会で、15時と19時の面会も行きましたが、安定してずっと眠ってます。
昼過ぎに目を覚ましてブリッジをしたそうですが、薬追加ですぐに寝かされたそうです、ブリッジ恐い。
でも早く抱っこしたいし側にいたいです。
早くICUから出られるといいな。

当時のガラケーで撮った、貴重なICU写真です。

※末娘の心疾患の話は、過去の日記を見て書いてるので、当時と今の感情が行き来していて読みずらかったらごめんなさい。

⑦に続く。