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山を登る。

巡礼の旅のように、見知らぬ人達も登っている。

一際目立つのは、丸い桶を担いだ一行だ。

桶の中には天女のようなヒラヒラとした服を着た女性四人が笑顔で座っていた。

その時、その山の『登って降りてくる時には片方へ幸せも不幸も贈れる』という言い伝えを思い出す。

だから、みんな一人で登っているのに。

少し急な斜面から荷物を背負ったおじいさんが降りてきたので、道を譲る。

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