ミスの正体

「あの人、またやらかした。」

そう思ったとき、私は心のどこかでその人を見下していたのかもしれない。

同じミスを繰り返すなんて、何も学んでいない証拠だ。
改善の意識もないんじゃない？それとも、まさか自分は悪くないとでも思ってる？
心の中でそんな批判が渦巻いてた。

実際はどうなんだろう

「なんでまた。なんなんだよ？」と件の彼は悔しそうに口にしていたけど、その理由をきちんと説明できないことってある。

繰り返すミスには、無意識に染みついた癖とか意識の盲点とかが隠れてるのかもしれない。

気づかないうちに同じ罠に引っかかる。もしかするとそれが人間の性なのかな？

そんなことをぼんやり考えた数時間後、やってしまった。私もミスをしていたのが発覚した。しかも、あんなに「ありえない」と思っていたようなミスを、だ。その瞬間、「ああ、なんだ、こういうことか」と妙に納得した。

結局のところ、私のミスの理由はシンプルだった。
「私はこの業務をもう理解している」と過信していたからだった。必要な確認を怠り、「大丈夫」と思い込んでいたからだった。だから、うっかりやらかしていた。

じゃあ、さっきの彼の場合は？
「もう次はしない」と思いながら、それが逆に「もう対策は万全だ」と油断したのかもしれない。
繰り返すミスの背景には、自分では気づかない「過信」が潜んでいる、そんな風に思った。

私たちがミスをするのは、気が大きくなっているときが多い　

やるべきことを「もう慣れている」と軽んじたり、いつもの流れに甘えてしまったり。そんなとき、ふとした瞬間に足を取られる。

結局のところ、対策は？
「気を引き締める以外にない」

だろーね。