新しい駅ではお見合い その1
最近、コロナの制約も薄まってきたことや暖かな春の訪れもあってか、僕は、電車で出かけることが増えました。
みなさんは、よく電車に乗りますか?
見えている時は、」電車に乗ってあたらしいところに出かける」のが大好きだった僕は、見えない世界の住人になってからもチャンスがあれば積極的に新しいところに出かけるようにしています。
少年の頃、計画も立てずに自転車でフラッと日帰り旅に出かけるような、そんな自由な旅が僕は好きなんでしょうねぇ。
まぁ、旅の楽しみ方は十人十色なのでここで深くは触れませんが、 今回は、見えなくなってから僕が電車利用で困っていることを一つ書こうと思います。
見えない世界の面々にとっては、実は乗り物関係のトピックは、うじゃうじゃ出てくるんですよ。もしかすると、日本人が1日に食べる米粒の数よりもたくさんのトピックが上がるかもしれないと思うほど、公共交通や乗り物全般に関する話題は豊富なんです。
真面目な話題では、
1 駅のホームへのホームドア設置について
2 新宿や東京などのターミナル駅で、どのようなルートを歩くと、迷子になりにくいか。
などなど
不真面目な話題では、
1 スマホの」ながら歩き」をしている若者が、駅構内の点字ブロックを上手に踏みながら歩いていたのを知り、点字ブロックの有効性が改めて分かったと笑い話として飲み会のネタになるケース
2 電車のモーターの音が好きすぎで、駅でずーーーっと行き交う電車の音を聞き続けていたという鉄ちゃん(音鉄と呼びます)の話を聞いて、他のお客さんに迷惑はかかっていないか心配になるケース
などなど
見えない世界に住む私たちは、基本的に車や自転車などを自分で運転しないので、バスや電車を利用することが多く、必然的に話題も増えるのでしょうね。
ただし、見えない人は見える人のようにスムーズに公共交通機関を1人で利用できるようにはなれないんですよね。
相当量の歩行訓練を受けた上で、耳と手と足の感覚を使って集中して安全に歩行しようと努めていることを見える人々にも知ってもらえるとありがたいですね。
この「見えない人の歩行」については、とーーーーーってもたくさんの側面でお話ししたいので、今後
少しずつ触れていきますね。その時まで少々お待ちください。
さてさて、今回僕がお話ししようと思ったのは、
新しい駅では、お見合い
についてです。
さてみなさん、このタイトルを見て僕が困っていることが想像できますか?
1発で答えが出せたそこのあなた!
見えない世界検定3級
を差し上げましょう。
ちなみに、見えない検定は、7段まであり、その跡が、名人になります。あははははー
、先が長いですよーーー。
あっつ、脱線しましたね。すみなせん。
今回の話題は、駅の構造についてのお話です。
見える世界の皆さんは、駅構内外を歩いている時に、知らず知らずさまざまな表記を見て動いています。
例えば駅構内で床に書いてある矢印の方向に向かって歩きませんか?おそらく、「俺様は、わざと床の矢印が向かってくる方を
選んで歩いておる。 」と胸を張って答える人はあまりいないでしょうね。
これは、駅の改札でも同じですね。見えていれば、改札機のランプがついている方が自分が使う改札機ですし、その前に、人並みを見てついていけば改札までいけますよね?
これはおそらく、しかるべき学問と研究に基づいて、集団の動きを視覚を使って連続的に誘導しているのかなと個人的には考えています。駅には駅の事情があるので、効率よく多くの人を動かしたいのは必然ですしね。
しかーーーーし、
この「視覚を使った連続的な誘導」が、ボクにはまーーーったく効かないんですよーー。
だって、、、、。
見えないもーーーん。
で、どうなるかというと、
1 ホームから改札に向かう階段上で
おばあちゃんとお見合い
2 階段が終わり、改札機の音に向かって歩いていると、
急足のお姉さんとお見合い、、、。危うく、ハグ!
3 ようやく改札機の音に近づき、Suicaをタッチしようとしたら、改札の中で反対から来た巨漢のおっさんとプチおしくらまんじゅう!どちらも引けず、駅の改札で大相撲の開幕ですわ。
なぜこうなるんでしょう?
答えは簡単。
知らず知らずとはいえ、ボクが先述した「オレ、あえて矢印に向かって(人の流れに反して)歩いておる」を実践しているからですね。
ボクは、なんてひどい奴なんでしょう!
この部分だけを読むと、「駅のルールに沿って歩けよな。」と、ボクの行動に腹立たしさを感じる人もいるかもしれませんね。
でもね、、、、。
目を閉じて、次の状況を想像してみてください。
1 あなたは、見えません。
2 あまり使ったことのない(新しい)駅で電車を下車した。
3 ホームの手がかりは、ホーム上の点字ブロックと、遠くでかすかに聞こえる鳥の声(駅ホームの階段付近から出ている音で、鉄道会社により音が違う?京急線の駅は、うぐいすの鳴き声でしたよ。)
4 鳥の声が聞こえたから階段のところまで来た。エレベーターは、どこにあるのか分からない。(エレベーターからは、鳥の声のように常に音はしません。)
5 点字ブロックが誘導した側の階段を使い始めたっら、途中でおばあちゃんとお見合いになった。
矢印おそらく、ボクが逆走している。
6 改札回まで辿り着いたが、10以上あるだろう改札機のどの辺りが出場できる改札なのか全く分からない。手がかりは、改札機のピッ、ピッという音と、改札の音の方に伸びている点字ブロック。
7 勇気を出して点字ブロックをたどり改札へ向かう途中で、たぶん、ホームへ向かう人の波を横切った。その時に、お姉さんとハグしそうになる。
8 なんとか点字ブロックを辿って改札機まで来た。
9 車椅子対応の改札のため改札通路の幅が広く、ぼくが左右に振っていた白杖が改札機に当たらず、そのまま改札内に侵入した。
10 さらに、その改札機は、両方向から通れるものだったので、 おっさんが入ってきて相撲を取ることになった。
さぁ、この状況を想像していただいた上で、みなさんはどう考えますか?
これは、一言では解決できないことですね。
ぼくも様々な角度からこのことについて今現在も考えているところです。
さーて、今回はこの辺りで一度筆を置こうと思います。
と、いうのも、この記事を読んでくださったみなさんそれぞれが、何かしらの考えを見出し、願わくば、日々の生活のどこかで応用できるとステキだなーと思ったからです。
日を改めて、ボクなりの考え矢提案をまとめますね。
その2へ続く