音楽✖工学=サウンドクリエーター
サウンドクリエーターとは
様々な定義があると思いますが、ここでは以下のように軽く定義したいと思います。
【ゲーム音楽やBGMなどをDAWソフトを使用して創作する職業】
私は楽器を使って生音で表現をしますが、ここでお話するサウンドクリエーターは、作曲ソフト=DAWソフトを使用して、音を創り出し、曲を創るというイメージです。
DAWソフトって何
有名なソフトはこちら
Cubase
StudioOne
ProTools
FL Studio
LogicPro
どんどん新しい製品がリリースされていますし、上記有名なソフトもアップデート頻度が凄まじいです。
そのくらい、今も進化し続けている分野といえます。
初期費用がかかる
上記ソフトは無料版があったり、グレードによってはかなり安価で手に入れることができますが、プロとしてやっていくのであれば、話は別です。
DAWソフトを使用して作曲する作業をDTMといいます。そのDTMだけで生計を立てている友人がいますが、こう言っていました。
DTMで生きていきたいなら初期費用がかかることを覚悟しないといけない
購入ソフトには基本的な音源は入っていますが、プロとして作曲するのであれば「オーケストラ生音録音音源」や「ドラム音源」などを追加で購入する必要があります。
初期の音源だけで作った曲だと、話にならないとのことでした。
楽器もプロの演奏家を目指すのであれば、それなりのお値段になります。
高いものがすべて良いとは限りませんが、いくらスキルを習得しても、それを表現するツールがスキルに見合っていなければ意味がありません。
DTM作曲でも同じだということです。
また、こういった音源データは容量が大きいので、パソコンが高性能でもすぐにパンクするそうで、外付けメディアも必須。
この友人の部屋は音楽家というよりエンジニアのようなお部屋です('ω')
音楽知識ゼロから始められる
最近のDAWソフトには作曲に必要なコード進行が内蔵されています。
要するに、基本的な伴奏を作ることは難しくありませんし、そこに知識は最初は必要ありません(もちろん知識はあった方が良いです)
音楽大学で作曲というと、音楽理論、和声学、対位法、演奏法に加え、全楽器の特色や音域などを学ばなければなりません。
それがDAWソフトがあるだけで、ちょっとした曲ならすぐできます。
これは、作曲分野の敷居が低くなり、様々なインスピレーションを持った方が曲を創れるようになったという面で、すごい意義があることです。
有名音大でDTMを学ぶのは難しい
有名音大にはサウンドクリエイト専攻がない場合がある
音楽大学はいまだに楽器演奏や生音での表現に固執している部分があります。楽器や歌声で表現することは素晴らしいことですし、それでこそ味わえる臨場感があります。
ただ、演奏家として生きていける人は一握り
演奏家だけでは生計を立てるのは現実的ではありません。
既に飽和状態ですし、それでも毎年何万人と音大卒業者が出ています。
しかし、音大の中でも有名な音大であるほど、演奏スキル習得に特化しており、現時点でクリエイティブ職でご活躍されている方のほとんどは音楽大学卒ではありません。
サウンドクリエーターになるには
決まった手続きや方法、資格などはありません。
現時点でサウンドクリエーターになる王道を3つ挙げます。
1.工学系の専門学校
こちらは「サウンドクリエーターコース」「レコーディングクリエーターコース」「DTMコース」など、デジタル音楽系コースが充実しています。
最近はボカロ作曲も積極的に取り入れており、流行も勉強したい方は、工学系専門学校をお勧めします。
学費はやや高めですが、各種ソフトが学生割引で購入できたたり、学費に含まれていることもあります。また、就職に実績があるので、サウンドクリエーターとしてスタジオや制作会社に就職したい方は有利です。
2.レッスンを受ける
ピアノやバイオリンのレッスン同様、DTMのレッスンをしている教室があります。コロナがあってからは、オンラインレッスンも充実しており、社会人の方や、他大学に通っている方でもレッスンが受けやすいです。
個人レッスンですので、1曲をじっくり仕上げたい、ミキシングを知りたいなど、自分のレベルに応じたスキルが学べるのもメリットの一つです。
3.独学
今はYoutbeやUdemyなどで、独学でも比較的スムーズに学べる環境が整いつつあります。10年くらい前であれば、この方法は難しかったでしょう。
しかし、それでも私は独学には限界があると思います。
すべて独学でバイオリンを習得するのが難しいのは、客観的な指摘や指導をしてくれる存在が必要だからです。
趣味であれば問題ありませんが、プロとして活動したいのであれば、どなたかに指導を受けないと、「自己満足」に陥りやすく、今のニーズを拾っていくのも難しいと思います。
また、これは音楽界全体に言えることですが、人脈は大切です。
クラシック界とDTM系の人脈系統は異なります。
確実に仕事を取っていきたいのであれば、独学はあまりお勧めしません。
私のDTM事情
作曲はしていないが、DAWソフトで音源加工している
私の仕事の一つに「宅録」があります
これは「自宅」で自らの楽器演奏を「録音」して、どなたかに提供する仕事で、主にDTM作曲をされている方にデータとして提供することが多いです。
DAWソフトでもバイオリン音源はありますが、生音の威力には敵わないそうで(おそらく倍音から派生する音色が原因かと)、イントロやサビで印象的なメロディをバイオリンに奏でさせたい時は、DAWソフト音源ではなく、生音を求められます。
私は録音して、雑音処理を行ってから提供しておりますので、この雑音処理にDAWソフトを使用しています。
エコーやディレイ処理などは、DTM作曲家さんがすることですので、私は自分の音自体に加工はしていません(加工したい時もありますけど(笑))。
近々、DAWソフトを使用して「弾いてみた」動画を作ります!
せっかくDAWソフトがありますし、演奏家ですので、自分の好きな曲を「弾いてみた」動画にしようと動いています。
著作権等の問題もありますので、カラオケ音源は自ら作成し、自宅で録音、ミキシングしてアップロードという流れを想定しています。
こちらに書いた通り、クラシック以外の分野が好きなので、アニソンなども視野に入れて現在カラオケ音源作成中です~♫
私は博識の音楽家を目指す
今回サウンドクリエーターを題材にしたのは、音大卒の演奏家は中々手を出さない分野でありながら、世の需要が高いからです。
演奏ができる方はたくさんいます
名伯楽もたくさんいらっしゃいます
サウンドクリエーター分野も成長著しいです
私は、演奏と教育のキャリアは長いですが、二つとも音楽大学で教授になるようなレベルではありません。生徒が音楽家になりたい、音楽大学に行きたいと明確な意思を示した場合は、即座に先生を紹介します。
そんな私が生徒に対してできることは、「不得意」「知らない」分野を無くしていくことだと考えています。
もちろん、どの分野もトップクラスのレベルとまではいかないかもしれませんが、生徒が興味を持った時に、進路のアドバイス、DAWソフトの話、入門までの指導は可能だと考えます。
同じ理由で作曲家に師事し、和声学や対位法もレッスンしていますし、昔バレエと新体操をしていた経験も舞曲に活かそうと、今でもレッスンを受けています(*^^*)→バレエレッスンの翌日は足がプルプルですが(笑)
生徒にとって音楽界の広い窓口でありたい
それを実現するには、音楽界に存在する仕事を知り得るだけ知っていきたい、学びたいと考え、今も実行し続けています。
終わりがない道ですが、だからこそ死ぬまで、音楽的スキルも、人間性も磨いていきたいです。生涯現役!!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?