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<15歳の私へ>出題範囲の先を見よ!
◉とにかく必死の音楽高校受験
◎マイナスからのスタート
片田舎で育ったので、中学2年生の秋まで、私の志望高校は地元の公立高校の普通科でした。
学区制度があるので、隣接する大きな市の高校は受験しにくく、必然的に近くにあった【難関】の普通科高校を目指すしかありませんでした。
バイオリンは好きでしたし、バイオリニストになりたいと思っていたものの、田舎にいる私には叶える方法を知りませんでした。
師事していた先生が海外の音大出身だったので、「東京のレベルがわからないけれど、冬期講習受けてみたら?」と言われたのがきっかけでした。
※冬期講習とは音大や付属校が開催する、夏と冬の体験レッスンや講義のことで、約1週間行われます
冬期講習は初めての東京に行く、いわば物見遊山でした。
◎浮かない世界をみつけた
冬期講習で友達ができ、音楽の話をして気づきました。
普段の中学生活では「本来の私」を隠して生きていることに。
本当は流行にも、テレビにも興味はないし、
もっと言えば他人に興味がありませんでした。
小学校で受けたいじめの影響もあってか、当たり障りのない生活を送ろうとするあまり、「自分」を知らずに生きていました。
東京の音楽高校が開催した講習会で、バイオリンを通して自己表現する喜びと、難しさを知り、私は新しい世界を見つけた気分でした。
◎今思えば「よく合格したな・・・」
こう思うのはなぜか
出題範囲しか練習していなかったから
もちろん、入試では決められた出題範囲しか演奏しませんので、問題なく合格できたのですが、むしろ大変だったのは入学後です。
全国から生徒が集まる高校でしたが、そうはいっても通学できる生徒が多く、地方組のなかでも、私はかなり遠方でした。
つまり、東京のこと、もっと言えば音楽高校のレベルを本当の意味では知らずに入学していたのです。
バイオリン専攻の同級生は、出題範囲は前提条件としてできていて当たり前で、私が手を付けていないエチュードや曲を難なく弾いていたのです。
普通科高校に例えると、自分は中学生の学力レベルで合格したけれど、周りは「高校生の勉強は終えてます」状態と同じ現象が起きていました。
(開成などは高校は大学受験の勉強に充てるそうですね(-"-))
◉出題範囲の先が結構大切
◎スケール
出題されるNo.はもちろんのこと、スケールは〇小節まで、と明記されている学校がほとんどです。
そして、その一例がコチラ
![](https://assets.st-note.com/img/1721044695632-WmI2d2lYaS.jpg?width=1200)
入試で弾くのは赤い線まで。
私はここまでしか練習せず、入学しました。
当たり前ですが、入学試験で範囲指定されているのは、時間制限があるためであり、「範囲以後は必要ない」というわけではありません。
No.5のは3オクターブの音階とアルペジオですが、その先のクロマティックスケールも必要不可欠です。でなければ、教則本に載ってません。
ちなみに、音階の他に、3度、6度、8度なども出題されていますが、こちらも私は出題範囲しか練習していませんでした(ほんと猛省)。
![](https://assets.st-note.com/img/1721044944146-9gkssL9rod.jpg?width=1200)
◎協奏曲
入試で演奏する協奏曲は、テンポの速い第1楽章か第3楽章が指定されます。
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲第1楽章または第3楽章
チャイコフスキー:ヴァイオリン協奏曲第1楽章または第3楽章
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1楽章または第3楽章
ここら辺が入試課題曲としてはメジャーです。
いずれもテンポが速い曲で、テクニカル面をアピールできます。
ただ、入試や実技試験のためだけの練習やレッスンに没頭してしまうと、第2楽章などの指定されにくい曲を弾かないまま、ということも少なくありません。
また、協奏曲ばかりフォーカスすると、ソナタや小品など、プロになれば演奏機会が多い曲目も習わない事態にもなります。
※協奏曲は本来オーケストラをバックに弾きますので、個人的なリサイタルではあまり演奏されません
◎あなたはどんな音楽家になりたい?
音楽高校や音楽大学に通う以上、試験の都度課題曲は避けて通れません。
これは、こなさなければならないコトでもあるのです。
ただ、それをこなすだけでは、個性は引き立ちません。
一概に「クラシック音楽」と言っても、一生のうちに弾ききれないほどの曲数があり、冒険が待っているのです。
こなさなければならない曲とは別に、「どんな演奏家になりたいのか」「どんな音楽家になりたいのか」「そもそも演奏ジャンルに進みたいのか」・・・答えが出ない時期でも考えておくことをお勧めします。
ていうか、かつての私に伝えたい(笑)
バイオリン専攻だったので、実技レッスンだけでなく、オーケストラ授業、室内楽などの曲も練習しなければならず、【弾くことに追われる】日々でした。後悔はしてませんが、もう少し物事を考えておくのも有だったかな~と反省はしています。
その反省は今に活きていますので、無駄にはなっていません♬