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エモいアナログがトレンドになる理由

デジタルからアナログに回帰する流れ

UXでもなんでも、便利で当たり前な世の中になってきた。これはひとつ、豊かさの象徴とも言えると思います。
しかし、前回の記事でも書いたように広告では豊かさという言葉が使い古されている。不動産でもサービスでもプロダクトでも、得意げにでてるのが豊かさというワード。そして見る人はやがてこう思う。「便利だから、なんだっていうの」「もうじゅうぶん便利だけどつまらないから、いらない」と。それこそが、便利さ差別化の終焉。便利さのコモディティ化です。そして、大切な物は便利なカッコイイものから、煩わしくて愛しいエモさに心も時間も奪われる。

つまり、既存の焼きまわしでも最新の手法ならバズる、という考え方はすぐに古くなる。できた頃には次のものが流行るから、トレンドはトレンド。


ファッションのトレンドは前時代を取り入れる

私はファッションが好きなのですが、ファッションはトレンドが一周して戻る。例えば、今だったら80年代とか90年代をとりいれたものが現在のトレンドだ。

このことから、私が消費者として購買を検討するときは、必ず「今めちゃくちゃ流行ってるもの」なら、安く買う。トレンドと逆のものが次の年に流行るのではないか、という疑いを常にもって購買に至る。逆に、王道ど真ん中で一周回って10年後いける可能性があり、めちゃくちゃ好きなら高くても買う。その目線が身についたのは服が好きだったからで、服ほど流行り廃りが速いものはそうそうない。ものすごいスピードで人気が推移する、トレンドの縮図だと思う。

そこで大切なのは、一部の流行はベーシックとして定着するということ。爆発的に売れたもの、普段遣いに影響の出ないものなどがリアルトレンド入りしたときのみ、ベーシックという形で残る。意図的に流行りとして発表されるものは、あまり残らない。

デジタル化してった後にのこるもの

消費者にとって豊かさは「もういいや」ではなく、「当たり前」に変化しつつある。つまり、ベーシックとして残る事象です。

例えば、ビッグデータを活用したマーケは必須になるし進める必要性はあるけど差別化にはならない。そんな中でもDX推進と掲げて手元でできる事、その中でバズる事、はとても限られてくる。

現段階で、便利とかはもういいや。それより、もっと面白いものない?と、ほどなくして飽和するのだけど、世を飽和させるものを作りたいとは思わないのがクリエーターだったりする。めちゃくちゃ便利か、エモいかです。

アナログに戻るエモさ、その理由

そこで登場するのが一周回って、アナログです。じゃあ、数多く廃刊となってしまった雑誌が残るのか?といえば、そうではない。

消費者にとって優先度か重要度が高いものだけが、アナログとして残ります。

例えば非常時、災害が起きた際にどれほどPCは役に立つのか。電気がなければ使えない。停電したら、軽いといわれるデバイスだってただの荷物にしかならないのに、すべて預けていいのか。「アレは、別でとっておこう」そう思うものこそ、その人にとって、優先度の高いこと。

もっと身近なことでいえば、共有のために使うホワイトボードや備忘録として冷蔵庫に貼ってあるメモを思い出してみてください。
「その場所に貼ってある」というアナログにしかできないことが必要で、忘れてはならない、優先度の高いことだから一番届きやすく確実性の高い方法を選ぶ。重要なものを手渡しで贈ると安心だとか、大切なものほど手元に置きたくなるような、そんな気持ち。実在することがめちゃくちゃエモーショナル。だけど、枠は僅かだから、最有力候補だけが残る。

でも、メモやボードが邪魔だったりアウトプットが面倒だったりする。だからこそ、アウトプットするという優先度が低いことはデジタル化します。人は問題をデジタル化で解決し、本当に重要なことをアナログで残す。それが、ここから先のイメージになります。面白くなってきましたね。

重要度の高い課題を解決できるもの、重要度が高く人の手にとってもらえるようなものを、いつまでも残していきたい。それが、心を奪うということ。なんでかわからないけど、好きとか、けなされても持っていたいという個人的価値観。これはさらに多様化して、複雑になる

ひとって、くだらなくて、めんどくさくて、面白いものが好き。

最後によくある質問を。

ひとつだけ無人島にもっていくなら、何にする?


何かを作るときの導入に、騙されたと思ってぜひ問うてみてください。

それでは、またね。





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