2018年11月Twitter掲載詩

僕の言葉は棘だから
君を傷つける
血でどろどろになった君の手で
僕の口をおさえてて
もう君を傷つけないって誓うから

#ひとことの重さ

__________2018/11/3

#わたしの架空の職業

いらっしゃいませ
何をお探しですか?

ここは絃の名を持つ僕が営んでいる糸屋です
僕が撚った糸をあなたの想い人へと届けてください
赤い糸はもちろん、お好きな色に染められますよ
でも糸は売っているだけ
糸を繋げるのはあなた自身の手でお願い致します
大丈夫、手紙に託すも声に託すも
僕の職人として力を込めて撚った糸です
安心してください
お代ですか?
叶った後のあなたの笑顔を見せていただければ充分ですよ

___________11/04

僕の色は白です
僕の色は黒です
二人混ざると灰色になります
混ざれば彩り豊かなものになるのかと思いきや
僕たちはただ半分になるだけ
僕たちはせめて
贈ればあなたに喜んでもらえるような
そんな花の色になりたかった

#モノクロと色

__________11/04

僕のキラキラと
君のキラキラを混ぜたら
何色になるだろうか
そもそも僕は光ってる?
仕方ないから
夜空から星を拝借
鍋に入れて作る
甘い甘い宝石のお菓子
君が食べて僕を好きになったら成功
ならなかったら失敗
混ぜてる間もドキドキが止まらない
どうか成功するように
せめて美味しくなるように

__________11/07

「ユヅキくんのそれ何?」
僕の持ってる物に反応してきた彼女。
「琥珀糖だよ」
「こはくとう?」
「宝石みたいなお菓子って言われてる」
「へぇ、食べてみたい」
「いいよ」
僕は袋を広げて、彼女の前に差し出した。
「ほんとだ、キラキラしてる」
宝石みたいと彼女の目も輝かせながら言う。
「いただきます」
一口で頬張る彼女。
僕は食べ終わるまで静かに待つ。
「甘いね」
「おいしい?」
「うん、おいしいよ?」
「よかった」
僕は安堵の声をもらす。
「もしかして、ユヅキくんが作ったとか?」
まさかと笑いながら彼女は聞き返す。
「うん、僕が作った。僕お菓子作りが好きだから」
「すごい、ねぇ今度私にも教えてよ」
「うん、もちろん」
これって一歩前進でいいんだよね。

#甘い言の葉 「虹の欠片」

___________11/07

自分の人生だもん
正直になったもん勝ちでしょ
どこかで杭にも打たれます
足並み揃えよって
リズム感ないとついていけないんですって
なのにできないってただレッテル貼られるだけ
できないの何がいけないの?
生まれてきただけ偉いってもんでしょ
だって
必ず人は死ぬっていうゴールが決まってるのに
生きてる間楽しまなきゃ損じゃない
死にたくないよ僕だって
ずっとずっと好きな人と一緒にいたい
だけど死ななきゃいけないの
考えれば未だに吐き気に襲われます
だから僕は
笑顔でありがとうって言える人生送りたいんです
ま、言って後悔ばかりだけどね

___________11/16

僕を見つけてくれてありがとう
僕に見つかってくれてありがとう
かくれんぼしてたわけじゃないけど
知らなかった君のこと
Twitterの荒波で見つけたの
僕を見つけてくれたの
君を報せてくれたの
僕と皆と繋がった糸
何色ですか?
僕に教えてください

__________11/17

僕の色は何色ですか
透明に碧色垂らして海の色
息もできぬ海面見上げて桃色へと
頬を染める
手を伸ばした先には淡い水色の夢
無情にも灰色のシャッターしまり
白と黒のモノクロを混ぜたら
結局黒の勝ち
泥々にこねた絵の具は闇の味だった

不味

__________11/18

私は私
けれど私の中にはいくつかの私がいて
それは糸の集合体で絃/私を形作っている
それぞれの個性があり
それぞれが主張する
それでも私は変わらない
けれど今変わる時
私は私
変わらないのは好きなこと
私の手が作り出したキラキラを
皆に届けたいと願います

__________11/26


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?