2018年09月Twitter掲載詩
君が悲しんでいるのは知ってる
君が寂しいことも知ってる
でも誰かが手を差し伸べるじゃん
誰かが声をかけるじゃん
僕じゃなくてもいいんだよ
だから僕は君を見守ってるなんて
体のいい言葉掲げて
ただ見ているだけ
裏腹
僕はなにもできないだけ
かけていい言葉が見つからないだけ
天の邪鬼
いいえただ怖いだけ
#詩人の本懐 「傍観」
___________2018/09/03
腐りかけた果実に僕は爪をたてる
中から出てきた果汁を
僕はそのまま口にする
甘ずっぱい味覚に一瞬
背中を震わせ
僕は次をとまた求める
赤い果実が君だったらと思うと
僕はやましくも純粋な感情で
君にかぶりつきたい
#甘い言の葉 「熟れた赤い熱」
__________09/05
一人で食べる食事は味気なく
モノクロの食べ物が並んでた
味なんてそれこそ
どれも同じく墨みたいな無色無味
それが
君と向き合った瞬間
鮮やかに色づいた
#詩人の本懐 「味覚」
__________09/09
君が見てきた世界。
まだ見ぬ世界をその目は映してきたんだね。
僕は君が決めた道を、
背中について一緒に歩いていくよ。
しんどくても明るい道になるように、
苦しくても楽しい道になるように、前を向いて歩くからついてきて。
君の言葉が僕たちの未来を照らす。
僕たちは君が疲れた時の泉となるから、
だから君と共に歩いていくよ
どこまでも二人と
皆と
僕たちの世界を作るために
__________09/09
私は好きな人の血を吸わないと生きていけない
なのに
逆に貴方に囚われ
私は飼われる猫
にゃおんとなけば貴方は血をわけてくれるけど
私は私の意思で
あなたの血を貪り飲みたいの
#幻想の集い 「吸血鬼」
__________09/10
あなたが闇にのまれそうなら
のまれないようせめても
僕はあなたの灯りとなりたい
僕を見てあなたの居場所を気づいてくれるなら
それだけで僕は生きてる理由があるのです
#詩人の本懐 「篝火」
__________09/12
やりたいことは見えている
だから船に乗りこんだ
だけど早速壁にぶち当たる
僕の行き先は決まってるのに
そこに行くにはどう回ればいいのかもわかんない
手探り探り
目隠しどころじゃなくて
一寸先は霧
匂いに頼ればいいのか
果たして僕に野生の勘はあるのか
船だからって水の上とは限らず
行きたいように突き進め
一度きりの人生だもんな
笑って終わりたいじゃん
正解なんて辿り着いてから
自分で丸つけりゃあいいんだよ
__________09/15
点が繋がり線となる
線が繋がり円となる
円とは縁で
縁とは円で
僕の円は真ん丸とも限らない
誰かと繋がり切れもした
だからイビツで歪んでる
それでも繋がる赤い絃
僕の赤い絃の先に君がいたらいい願望
___________09/17
ずっと1人だった
1人でもかまわないって強がってた
寂しい気持ちは見ないふりして
毛布にくるんでた
でも時々顔を出す感情が苦しくて
だから君と出会って嬉しかった
感情の満ち欠けで
君にあたって迷惑かけて
心のせいだなんてそれはただの言い訳にしかならなくて
どうすればどうしたいの繰り返し
答えは決まってるのにね
僕たちは君といたい
その一言だけで済むのに
あちこち壁にあたって遠回り
君と大きな丸を作りたい
どこかじゃなくて
ここから君に伝えないといけないから
泥を被ってでも僕は卑怯なことをして君に伝えるよ
___________09/17
小さき時の僕の疑問
どうして月は小さくなるの?
パパの答えはこうだった
いただきます、って
月を食べる巨人がいるらしい
月の兎はお餅をついて
必死に新しい月を作ってる
巨人と兎のいたちごっこ
ずっと続いて
まだ終わらない
そんな僕も大人になり親になり
自分の子供に話します
巨人と兎の物語
__________09/19
稲穂揺らす風が吹く
思い出の中僕たちは
こっそりそこでかくれんぼ
隠れすぎて僕たちは
時間に取り残されていた
追いかける幻影は闇の中
冬の足音聞こえたら
秋なんて秒速で過ぎゆくの
なんて空しい時でしょう
眩しく映る金色は
僕の影を伸ばしてた
#甘い言の葉 「黄金の刻」
_________
金色に映える秋の色
食べれば心もほかぽかになる
冬になる前の準備だね
太陽燦々
秋の味覚は太陽の色
#甘い言の葉 「黄金の刻」
__________09/20
ちょっと待ってよ聞いてない
誰だよ僕から詩をとりあげたのは?
え、それがスランプなんだって?
これじゃあ言葉が降ってこない
これじゃああの子に伝わんない
僕の気持ちを伝えるために
僕は言葉を綴ってた
オーマイゴッド
仕方ないから奥の手だ
僕は魔法のステッキ作り出し
僕は魔法をかけるんだ
僕は僕だけの魔法使い
僕の言葉を作りましょう
くるくる回って君が好き
そう君に伝えられるなら
言葉なんてなくてもいいの
詩が書けないなら
なおさらどのさら
君に態度でしめすんだ
__________09/22
秋の夜長
虫の声がりんりん聞こえてくる
それをBGMにと
僕は本を開き
空想の世界に旅立つ、矢先…
君はここのモンブランが有名なの、と
買ってきたケーキを食べはじめる
「あ、お茶飲む?」
なんて言い出す君
はいはい、それは僕に欲しい?
と訊ねてくれるわけじゃなくて、
「お茶が欲しいので淹れてくれますか?」
ってことだよね
「だってあなたが淹れる方が美味しいんだもん」
なんて屈託のない笑顔で言うし
結局僕はそのモンブランみたいに君に対して甘々なんだよね
「僕の分はあるのかな?」
まさかと思いながら訊いてみる
「もちろ…」
もちろんと言いかける君の口を塞ぎ、
唇の端についてたクリームを舌でぬぐいとる。
「はしたない」
「クリームつけてる方がね」
なんてやりとりも秋の夜長の醍醐味として
#甘い言の葉 「綵色に染まる山」
___________09/24
四角い閉鎖空間
見上げれば空もなく
コンクリートに包まれたそこは
楽園か
はたまた地獄か
楽しいことなんて何もなかった
笑える友達なんていたとしても
本当に友達だったのか?
大人になって振り返るが
残ってるもんなんて片手くらいの思い出
黒い制服に身を包んだ人形たちが
今日も並んでお勉強
よーいどんで蹴落とし落とし
僕はただただ屋上から堕ちることを望んでた
#詩人の本懐 「校舎」
___________09/27
手放せなかったふわふわのぬいぐるみの代わりに人肌を知ってしまってから。
それでも別れる度泣いて抱き寄せるのはそのぬいぐるみ。
__________
メンクイって言われるかもだけど
君の写真見てトキメイタのは内緒です
これが恋かなんてわかんないけど
__________
凍った心
ラップで包んで
レンチンできたら
いいのにね
__________09/28
僕の隣、空いてますよ?
#優しい言の葉 「空席」
そんな単純な恋人募集
本気ととるか
冗談ととるか
宛先はこちらまで↓
__________09/29
僕の隣、空いてますよ?
#優しい言の葉 「空席」
そんな単純な恋人募集
本気ととるか
冗談ととるか
宛先はこちらまで↓
__________09/30