僧侶だった大伯父を尊敬する夫
私の父方の大伯父に、僧侶だった方がいます。
私の祖父は5、6人兄弟がいて、祖父は末っ子でした。上のお兄さんたちにはいろいろな人がいましたが、その中の一人に僧侶だった人がいたそうです。私はその方に会ったことはありませんが、かなり厳しい修行を経て僧侶になった方だったそうで、肉や魚などたんぱく質系のものはもちろん、甘いものなんかも全く摂取しない生活をしていたそうです。
その方が僧侶を引退し、年老いてから私の祖父の家で療養していたことがありました。その時、祖母が蜂蜜を塗ったパンを朝食に出したそうなのですが、それを食べて
「こんなに美味しいものは、産まれて初めて食べた」
と言ったそうです。
その話を夫にしたところ、夫はその大伯父は真の僧侶だと尊敬していました。
どうやら、日本のお坊さんたちは、肉や魚を普通に食べるし、結婚して子どももいるし、普通の人と何も変わらない生活を送っているのが納得できないのだそうです。
中国人は基本的に無宗教ですが、仏教の総本山、チベット仏教がありますので、そこのお坊さんたちと日本のお坊さんを比べると、物足りなさを感じるのかもしれません。
もちろん、宗派によるでしょうし、今だって厳しい修行を経て僧侶になっている人もいるとは思いますが、確かに普通に結婚してお寺を継いでいる家も多い印象です。
でも、お坊さんだって肉や魚を食べたいですし、結婚もしたいですよね。
と、私は考えているのですが、夫は「僧侶が欲を我慢しないで、普通の生活を送ったら特別ではなくなる」と感じるようです。
うーん、なるほど。そこまで言うなら、仏教の総本山のチベットにもいつか行って、真のお坊さんたちを見てみたい気もします。
ところで、私の大伯父も、まさか従姪孫の夫から尊敬されるとは思っていなかったでしょう。いろいろなものを我慢してきた大伯父も、報われたかもしれません。