はじめての『きんどるしゅっぱん』 後編
前編ではWordなどのツールで「商品」となり得る状態に内容を読みやすく整える手間と表紙デザインについて書かせていただきましてが、今回はいよいよKindle出版するためのプラットフォームkindle direct publishing への登録で苦労したことを綴らせていただきます。めんどくせぇけど!
第三のハードル・原稿をePub形式に変更する?
Kindle出版でアップロードする本文のファイル形式はePubという聞き慣れないものが推奨されています。
理由は知る必要もないでしょう。
それはあちら側の都合なので、システムを使わせてもらうこちらがとやかく言うべきではございません。文句を垂れていても得しませんし、いちいち不毛なことばっかり言ってないで、坦々と作業を進めていくしかないですね。
しかし推奨されている、というだけでePub形式でなければ原稿をアップロードできないというわけではなかったので、私はWordのデフォルトである拡張子.doc形式のままアップロードしてやりました。
もちろん横書きです。
縦書きをオススメする方もおられますが個人的にスマホで電子書籍を読むのはWEBサイトの延長と脳が捉えているようで横書きのほうが読みやすく感じるのが理由というか、縦書きにする手間を省いたことを正当化する理屈です。
日本の書籍は縦書きのほうが圧倒的に多いですが、縦書きのWEBサイトは皆無に等しいのはなぜなのでしょうか。謎ですよね。
縦書きにしたりはWordで簡単にできますし、ファイルをePub形式に変換する作業自体はフリーソフトで労せずにできてしまうのですが、そんなことをする必要はなさそうです。私は周囲に「めんどくさがり」と思われるほどの合理主義者であります。やらなくてよいことは徹底的にやりません。
そしてアップロードして数分後、PCに表示されたのは
「目次がありません」
なんですと?
目次はGoogleドキュメントで設定したはず。それをMSオフィスのWord形式でダウンロードすると設定した目次機能は反映されないのでしょうか?
反映されないのでしょう。そんなアラートが出てしまったのですから。ということで元ファイルに見出しと目次を挿入して再アップ。今度はオッケーでした。
第四のハードル・最新版のファイルわからねぇ問題
ファイルをアップしたあと、書籍の題名やジャンルや価格設定、色々と入力必須の重要項目があります。
そして本文の画面反映をプレビューできるボタンがあるのですが「元ファイルを確認したからいいや」などと恐ろしくいい加減なことをしてはなりません。決して。
必ずファイルが最新版であることを確認してからアップしましょうね。そして必ずプレビューで本文がキレイな状態で画面反映していることを確認しましょう。
私はこれを怠りました。
Googleドキュメントは端末を選ばず、どのPCでも編集が可能なことが仇となったというか、最新版をダウンロードしたPCを間違えたんですよ。まんまと校正前のファイルをアップして販売申請をしてしまったのです。
これマジ最悪です。
一度、申請してしまうとAmazon側で「レビュー中」となりまして、この状態が最長で72時間、続きます。そして、この状態となると申請を取り下げることができません。ということはファイルを修正する必要に気がついた場合、再アップして販売まで最長144時間かかってしまいます。
これはジャンルや価格設定などを修正する場合でも同様です。皆さま、初回の設定は慎重に確実に後戻りすることにならないよう工程を踏んでいただきたく思います。
こんなミスをする人はあまりいないかもしれませんが、あとで面倒なことになったり、人にお見せするのが憚られる第1稿が販売されてしまう恐怖に怯えながら数日、過ごすことにならないことを願います。
第五のハードル・販売開始
思い返してみると柄にもなくスーツを着て会社員やってたころも上司に「仕事は早いがツメが甘い」と評価されたことがありました。そのころから全然、成長しておりません。
成長というか矯正すべき点というか、もはや病気なんじゃないかと感じる注意力と集中力の欠如 & 面倒くさいことをサボる悪癖です。次回はちゃんとしまーす。
そんなこんなで私はアップするファイルを二度も間違いました。販売となってしまった第1稿をダウンロードしてしまった方々へのお詫びメッセージを三回も送るこの上なくウザいヤツになったのですが、ご購入いただいた方々は優しかったことが不幸中の幸い。
皆さま「ある意味、貴重な版を読めましたw」みたいな感じで笑って許してくださいました。よい人たちです。本心では「どーしょーもねーな」と思われてたかもしんないですが。
そうしてツールやらプラットフォームの仕様やらで四苦八苦しながら販売となった私の処女作がこちらとなります。
第六のハードル・売れ行き
販売開始から五日ほどでしょうか。
無名のゲーム脚本家が初めて出版した書籍が売れるわけがありません。売れるどころか見つけてもらえません。
これがSNSで何万フォロワーもいるような所謂インフルエンサー的な人ならともかく、これからKindle出版を考えている無名の方々がおられましたら、ほとんど売れないと思っておいたほうがよいと思います。
過度な期待をすると落ち込むことになりますので、そう思っておいたほうが心理的ダメージは少ないです。
Kindle出版というのは私のように書くことが仕事の人間ではなく、書籍からご自身の本業へ顧客を引っ張ることを目的にされる著者が多いと思います。
そういった方々が羨ましい。
私は書くことしかできませんので。
私が人として生きていくためには書くほかないのです。
「なら、ちゃんとやれよ」と言われそうですし、そう言われれば反論も言い訳もできない現状ではございますが、今後も私なりにがんばって書いていこうと思います。
というお話。
皆さま、よかったら私の書籍
『散漫力~集中力のなさを強みにする方法~』
一読してみてくださいませ。
ばーい、せんきゅー。