読書記録34
十二人の死にたい子供達
初めは『十二人』という重要人物の登場人数に腰が引けていましたが、読み始めて少しすれば皆個性的でキャラが強いためすぐ覚えることが出来ました。
本作は世界中の子供達の闇を縮図した物語。
自分の無力さや自分だけではどうにもならない親の問題。子供(無知で無力)であることが罪であるかのような社会。
大人になると「子供の頃に戻りたい」という人は少なくない。
だけどそれは親の庇護のもとに幸せな子供時代を過ごせた人のみが言えることで、共感出来ない子供時代を過ごした人がいるということを忘れたくないものです。
少年と犬/馳星周さん
ロマンティックなお話でした。
私はどちらかというと動物が苦手なためあまり共感は出来なかったのですが、犬好きで無くとも動物がお好きな方には胸温まるハートフル小説だと思います。
言葉が必要ないからこそ心地良い場合もある。
ただただそっと寄り添って温もりを分けて貰うだけで救われるものがある。
一人で埋められない心の隙間を埋めてくれるのは人間だけでは無い。
3時のアッコちゃん/柚木麻子さん
アッコちゃんシリーズ2作目。
前回『ランチのアッコちゃん』
今回もアッコさんが強烈でいて可愛くて、展開もテンポが良いのでサクサクっと読めました。
落ち込んだ時、悩んだ時に鬱憤を吹き飛ばしてくれる物語。
周りと比べて落ち込む必要なんてない。
自分は自分。
限界を超えて頑張る必要はない。
出来ることを出来る範囲で精一杯やれば良い。
読後、張った肩肘を解してくれます。