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読書記録29


#名刺がわりの小説10選

というハッシュタグを良く見かけます。
何を読もうかなぁと悩んだ時や、新境地開発したい時などにこのハッシュタグ、かなり助かります。

読書記録を付けだしてから90冊超えまして、せっかくなので100冊読んだら記念に私も自己満足で#名刺がわりの小説10選 まとめてみようかな〜。
皆様のオススメから選んでるだけあって良作ばかりなので10冊に絞れるかは自信がありませんが...。

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題/ジェーン・スーさん

これまで誰もが見て見ぬふりをしてきた女にまつわる諸問題(女子問題、カワイイ問題、ブスとババア問題、おばさん問題……etc.)から、恋愛、結婚、家族、老後までーー今話題沸騰中の著者が笑いと毒を交えて、自らの経験や失敗を開陳する宝石箱のようなエッセイ。20代、30代、40代女性の働き方、生き方に知恵と術を授けてくれる、女にとっての教典的物語でもある。モヤモヤ言葉にできない感情に片がつき、読後はスッキリ! 

相変わらずこの方のエッセイは共感の嵐。
読みながら何度頷いた事か。
紹介文にもあるように、胸の中で燻る言葉に出来ないモヤモヤを的確に言葉にしてくれてるので、それだ!私も本当はそう言いたかったんだ!と、読後スッキリします。

すみれ屋敷の罪人/降田天さん

長らく手付かずだった戦前の名家・旧紫峰邸の敷地内から発見された白骨死体。そこで暮らしていた屋敷の主人と三人の姉妹たちは、終戦前に東京大空襲で亡くなったはずだったが…。死体は一体誰のものなのか。かつての女中や使用人たちが語る、一族の華やかな生活、忍び寄る軍靴の響き、突然起きた不穏な事件。二転三転する証言から、やがて戦下に埋もれた真実が明らかになっていく―。

聖人君子などこの世にはいない。
誰だって大なり小なり多かれ少なかれ嘘をついた事があるでしょう。

『嘘をついた』という事実だけを切り取ると、100%悪に聞こえます。
だけどその嘘は、誰かを守るための嘘だったかもしれない。止むに止まれない理由があったかもしれない。
真実を明かす事は100%善では無い。

表紙と中身がマッチしていて、舞台のお屋敷や雰囲気が想像しやすかったです。
西洋化が進んだ明治〜昭和初期あたりのモダンな背景は優美さで溢れている。

冬の朝、そっと担任を突き落とす/白河三兎さん

校舎の窓から飛び降りた担任教師。遺書は無かったが、自殺の原因はこのクラスの全員が知っている。それぞれの思惑が渦巻き、秘密と後悔を胸の内に抱えながらも奇妙な平穏が続く理系特進クラス。ひとりの転校生の出現によって、教室の贖罪がいま始まる―。すれ違いの連続が生む悪意なき残酷さ、章を追うごとに明らかになる真実。痛みを越えて成長する高校生たちの罪と贖罪の物語。

『人が人を裁くのは無意味で、自分で自分を裁かないと改心しない』

本書があげる人間の闇の核心をつくセリフ。

100人中100人が悪いと答えようが、本人が悪いと自覚しない限りどんな裁き、制裁、刑罰を与えても何の意味も無い。
改心しないから同じようなことが起これば同じ過ちを繰り返す。

だけれども自分が間違っていたと気づく事は難しく、受け入れることはもっと難しいのだ。

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