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11月11日

本屋をつくる

店舗を探していた時に、自転車でこの辺り(宮崎市旭1丁目、宮崎県庁がある通りなど)を散策していて、たまたま見つけた今の場所。普段まったく通らない道だったし、しかも自転車で通るのははじめて。今と同じように植栽の縁石に座り、空き店舗だった店先を小一時間ほど眺めていました。メインのアーケードがある通りから離れているからか、人通りがなく、どちらかと言えば車の方が多い。その割にはコインパーキングが少なく店舗にも駐車場はない、商売には向かないかもなと考えながら。でも、なぜか引き寄せられてここに辿り着き、なんとも言えない古さと鉄のサッシの窓に魅了され一目惚れしたこの物件を諦められず、次の日には契約していました。

そもそも、どうして本屋を始めようと思ったのか。お客さんからもたまに聞かれる質問です。
話は店舗契約の9ヶ月前くらいに遡ります。

昔使っていた仕事部屋

本好きの始まりは読書ではなく収集だった。
仕事の関係もあって、デザイン本や佇まいの良い本(アートやグラフィックデザインの本、写真集、作品集、図録、ビンテージ絵本など)が好きで古本屋へ通ったり、ネットで探したりしながら収集していました。

収集しすぎて収拾がつかなくなった仕事部屋を少し断捨離しようと出張古本屋を始めました。2013年の初め頃でした。
出店するなら屋号がほしいなと考えていたときに、本の整理をしながら目に留まったのが、武井武雄の『戦中戦後気侭画帳』でした。「気侭」気ままかー、気ままっていいなぁ、とそこからKIMAMA BOOKSという屋号になったんです。
今まで本当に気ままに生きてきたなぁと自分では思っていたので、しっくりきすぎて少しだけ悩んだけど他に候補もなく決定。

出張古本屋としてイベントに出店させていただいたり、仲間のお店で『暮しの手帖展』をやらせてもらったり、地元ではこれまでになかったデザインのイベントを開催したり、そうこうしているうちに、次なる野望が生まれてきたのです。

「古本屋をやりたい!」

2013年の夏の終わり、その思いを形にするべく、いろいろと動きだしました。まだ暑い9月頃から物件を探し始め冬になる前の11月、今から11年前のちょうど今頃、この場所に出会ったのです。

つづく

什器を置く前の店内

#本屋 #日記 #プロローグ #回想

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