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#4書籍『僕はロックなんか聴いてきた 〜ゴッホより普通にニルヴァーナが好き! 〜 』

★★★⭐︎⭐︎:3.0

いわゆる一発屋芸人のイメージから、最近ではすっかりカルチャー評論家としての地位を確立しつつある永野氏の著作。内容はそのYouTubeでやってる事が結構そのままなんだけど、率直な好みや当時の自分の赤裸々なストーリーを重ねて独特の目線で語る姿には、アーティストやロックなんか聞いてきた事への誠実さを感じる。いや、誠実なんて言ったけど、洋楽詳しい先輩と飲み屋で懐古して語るようなフランクさがあるし、YouTubeと同じでそこが魅力だし斬新。

永野氏と同じく90〜00年代を地方で過ごした者としては、ロックは現場よりも雑誌やライナー、有料放送が情報源だった。そこから得た知識やジャケットの雰囲気など五感を働かせて、限られた予算で吟味してCDを買う。それで当たれば物凄い嬉しいし、第一印象ハズレでも聴き込んでなんとか当たりに持っていく。そんな感覚をかなり前から全部忘れてしまっている事に改めて気付かされる。

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