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いつになったら大人になれるのだろう

拝啓、「大学生になったら自由に過ごせるんだろうな」という小さな希望を持った数年前の私へ。

今日は少しバイトが長引いてしまい、家に着いた時間が23時になってしまった。「あー、遅くなっちゃったな」と思いつつ、楽しかったバイトの時間に思いを馳せながら迎えの車に乗ったら「遅い!何時だと思ってるの!?」と一発目から怒鳴り声。

その瞬間、上向きだった気持ちが一気に急降下。

「急いで終わらせなきゃいけない採点なら、あんたじゃなくて塾長が徹夜してやるべきなんだ」「あんたはバイトなんだからこんな時間まで働く必要はない」

取り返しのつかないミスをしてしまったときでも「大丈夫だから気にしないで!こっちで必ずなんとかするから!」と笑顔で変わらず接してくれて、いつでも優しい塾長にできることなんてこれくらいしかないのに。

こんな時間になっても家に帰りたくないんだよ。帰りたくなる家が欲しいよ。バイト先のほうが楽しいし暖かいなんて、本当の自分を出せる場所だなんて笑えてくる。「やっと家に帰れる〜!」って嬉しそうに言うみんなに作り笑いで合わせている私の身になってよ。

こんなドロドロの気持ちで締めくくった1月30日。もちろんここに書いてあることなんて微塵も言えず「遅くなってごめんなさい」としっかり言った。私の言動のせいで誰かの機嫌を損ねたらいけないから。誰かの気分を悪くして引きずられるくらいなら、自分の思いなんて全て隠したままでいい。

「大学生になったら、門限を気にして泣きそうになりながら焦って帰ることなく、楽しかった気分に浸ったまま一人で歩いて帰れて、誰の機嫌も気にすることなく過ごせるんだろうな」と思っているあなたには少し酷な話だったね。

19歳になった今も、私は門限を気にしているし、家族の顔色を伺い続けているよ。



最後まで読んでいただきありがとうございました。ふとしたときにまた読みに来ていただけると嬉しいです。