現代の教養のための大学入試小論文 #20 ~「技術知」と「思想知」~
ごきげんよう。小論ラボの菊池です。
聞きなれない言葉かもしれませんが、「技術知」と「思想知」の区別を扱います。これらは生活に深く根差したものでもあるのです。
キーワード
説明と要約
出典
島崎隆「認識論の現代的課題」(仲本章夫著『認識・知識・意識』創風社、1992年)
出題校
岐阜大学地域科学部(前期)
解説
普段私たちは、たとえばこの投資に関する本を読めば儲けが出るのか、といったように、自身の目的について、その手段が適しているかどうかを考えることが多いと思います。私たちは経済的・物質的な世界を生きているわけであり、そこにおける利益追求のためには目的と手段の適合性が問われるわけです。これが筆者のいう「技術知」ですね。しかしこれには落とし穴があり、「目的」そのものの是非は考慮されていないのです。たとえば受験勉強の目的である大学制度について、技術知的観点からは、それを深く考えることはありません。これを筆者は「ブラックボックス化」と呼んでいます。筆者のいう「思想知」により、そもそも目的自体が自身にとって、ひいては社会集団にとって適正化どうかを判断する必要があると主張しているのですね。
拙著もよろしくお願いいたします。それでは♨
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