読書note⑩ 『「捨てる」思考法』
【タイトル】 「捨てる」思考法 結果を出す81の教え
【著者】 出口治明
【ツール】 audible
【読了日】 2022年12月
オススメ度 ♡♡♡♡
現APU大学学長で、「現代の知の巨人」とも言われる出口さんの著書。
彼の著書は、特に歴史に関するものが大好きで、「哲学と宗教全史」や「全世界史」などは、その広範囲に渡る知識から導き出される俯瞰的な視点に感銘を受け、いつかお会いしてみたいと思う方の一人だ。
その出口さんが断捨離本を?と思いながら手にとったのだが、思った以上に出口さんの人生哲学がてんこ盛りで、学びの多い一冊だった。
「捨てる思考法」というより、いかに執着や固定概念を取り払って新しいものを取り入れることができるか、限られたキャパの中で何を取捨選択するのか、といった、変化に適応して生き抜くための思考法が書かれている。
「本、旅、人」
「人生はトレードオフ」
「知識は力」
など、彼ならではの金言がてんこ盛りだ。
「頭が固い」とか「常識に縛られる」ということが、いかに人生や国家にとって致命的かがよく分かる。
なかでも、「年齢は挑戦を恐れる理由にはならない」という言葉は旨に響いた。
還暦で新しい生命保険会社を立ち上げ、70歳で大学の学長になるという、出口さん自身の人生がその言葉に重みを与えている。
題名と内容が一致していないのが残念だが、生きた言葉で書かれた文章で、とても読みやすく心にすんなり入ってくる。
ただ、「人と違うこと」を高く評価しすぎるところがあるので、そうなりたくてもなれない多数の人達にとっては、ちょっと耳の痛い文章かも。