あなたの現状はあなたが考えたとおりになっている【人間は~4】
考えていることは、必ず実現する。
しかし、まず「今、あなたにとって何が必要なのか」、この疑問を解くことが大切なのだ。あなたの未来の姿を思い描いてみることで、体内から無限のパワーがあふれ出してくるはずだ。
カルカッタの詩人ラビンドラナート・タゴール(訳注…インドの詩人。思想家。1941年没)の詩を思い出してほしい。
信念は鳥である
まだ夜も明けやらぬうちに
光と歌を告げ知らせる
人間は未来を予測しながら成長してきた生き物である。しかし、ほとんどの人は生まれながらの潜在脳力である先見力をまったく利用していない。これはまったくもって残念なことである。
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ある経営者が家を出てオフィスに向かう。初夏の気持ちのよい朝である。車は新型の高級車。ピカピカに磨かれている。車をガレージから出し、こもれ陽のおちる表通りに出て、市内へとハンドルを切る。
通りの両側には、美しい家が立ち並んでいる。家々の芝は手入れが行き届き、家は塗りたてのペンキでまばゆい光を放ち、窓も早朝の光で明るく輝いている。
経営者はこの光景を満喫し、「素晴らしい!」と心の中でつぶやく。うららかで、万事申し分のない朝だ。すべてが整然としている。車はほとんど騒音もなく、ちりひとつ落ちていない通りを進んでいく。
近所の人々、通りに立ち並ぶ家々は、この経営者の社会的地位を映し出す鏡である。経営者夫妻の住む家や家具もそうだ。2人は自分の社会的地位にふさわしい言葉で考え、生活しているのである。収入だけではなく、向上心、成功、生活様式も地位を反映するものである。
そして、重要なことは、ステータスを一度獲得してしまえば、住んでいる家、場所、社会環境は、身分をより安定したものにしてくれる、ということである。
確かに、人生には浮き沈みがある。しかし、いったん高い地位に上った人間が、ドン底の貧乏になってしまうことはめったにない。環境は、人間の成功の度合いを計る尺度なのである。
オフィスも経営者の身分を反映したものであり、地位を確固としたものにする。経営者が仕事を終え、自宅に向かうときの気分は、まさに王侯貴族の心境である。
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なぜこのような生活ができるのだろうか?
それは、「この経営者の考えていることが実現したから」にほかならない。(つづく)
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『人間は自分が考えているような人間になる』
きこ書房