新刊『出世する人、しない人の1ミリの差』の「はじめに」を公開

 これは完全に宣伝です。今度発売する弊社の新刊の宣伝です。ご了承ください。

 こちら、6月2日に発売する『出世する人、しない人の1ミリの差』という本で、バリバリのビジネス書です。著者の田中和彦さんは一橋大学→リクルート→ギャガ→映画プロデューサー→キネマ旬報社・代表取締役を務めた経歴を持つ方で、現在は人材コンサルタント/コンテンツプロデューサーとして活躍しています。
 発売日前なのでまだ世の中に出回っていませんが、ここでは本書の「はじめに」部分を全文公開します。もし興味が湧きましたら、Amazonで予約したり、書店さんで購入したりしてみてください。狂喜乱舞・欣喜雀躍します。ではどうぞ。

★★★

はじめに

微差が大差

「一事が万事」という言葉があります。ひとつの小さなことに見られる傾向が、他のすべてのことに表れるという意味です。辞書には、「彼は一事が万事、この調子だ」みたいな用例が出ています。

 いきなり話は変わりますが、あなたは人間が一生のうちに人と交わす約束の中で、最も多いのはどんな約束だと思いますか? 約束には、「借りたお金は必ず返すこと」とか、「目標は必ず達成しろよ」とか、「あなたのことを永遠に愛します」とか、いろんな種類の約束がありますね。でも、そんな約束よりもっと日常的に多く交わす約束があります。わかりませんか? あなたは、毎日いくつものこの手の約束をしているはずです。

 そう、それは「時間」の約束です。「○時に伺います」「○時に集合してください」「○時から会議が始まるよ」「○時に待ち合わせね」「○分後に折り返し電話します」など、あなたが組織の中で働く社会人ならば、たった一日の中でもかなりの数の約束を交わしているに違いありません。時間にルーズな人というのは、そんな最も基本的で数多くの約束を反故にしている人というわけです。
「あの人はいつも時間に遅れるね。一事が万事あの調子で、約束をしても守られたためしがないよ」。冒頭の「一事が万事」という言葉は、こんな風に使われるわけです。人が人を評価する際に、この「一事が万事」ということがしばしば見受けられます。

 多くの企業が人事考課で能力を評価する場合に、S判定(非常に優れている)、A判定(優れている)、B判定(人並みに普通)、C判定(やや劣っている)、D判定(劣っている)というような段階評価を用いています。人事考課で、常にS判定の高評価を獲得できる人とD判定の烙印を押される人とは、一体何が違うのでしょうか。
 たとえば、「何が何でも時間は守らなくては」と思う人と、「少しくらい自分が時間に遅れたって、周りに与える影響なんてたいしたことない」と思う人との違いは、ちょっとした意識の違いに感じるかもしれませんが、この差こそが「一事が万事」、評価の決定的な差につながってきます。
 本文の冒頭でお伝えしますが、ホチキス留めのたった1ミリの差が、仕事の出来栄えを決定づけますし、やはり、その1ミリの差が「一事が万事」なのです。「1ミリでもキッチリ揃えなくては」と思う人と、「1ミリくらいどうでもいい」と思う人の違いは、ちょっとした行動の違いですが、それは意識の差とも言え、その1ミリの差こそが、すべての仕事に通じるのです。

 S判定とD判定の分岐点は、わずかな意識の差であり、わずかな行動の差です。そして、そのわずかな差が出世するかしないかに影響してきます。だからこそ、意識と行動を少し変えれば、D判定からS判定に一気にジャンプアップすることも不可能ではありませんし、あなたを出世できる人に押し上げます。

 この本では、仕事を一緒にする周囲の人たちから、とりわけあなたの人事考課をつける上司から、高く評価されるであろう「ちょっとした意識と行動の差」を52のポイントにまとめています。私は、これまでリクルートという会社の人事部で2万人以上の面接をしてきました。また、就職情報誌の編集長として数多くの読者に会ってきました。さらには、人材コンサルタントとして1万人以上の企業研修の受講者の人たちとも接してきました。そんな何万人もの人たちを見てきた上で、明確に浮かび上がってきたのが、この本の「ちょっとした意識と行動の差」です。
 周囲から高く評価されることは、仕事をしやすくすることですし、裁量権を与えられ、自由度が増すということでもあります。ひいては、より自分らしく、より素晴らしい人生を送ることにつながります。この本が、あなたのより良い人生のきっかけになってくれることを心から願っています。

平成28年6月  田中和彦

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『出世する人、しない人の1ミリの差』
きこ書房

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