ダイエットに失敗する根本的な理由
あなたはすでに、自分の行動によって結果が決まることを知っている。
こうした結果は、あなたとあなたが行う選択に影響しているが、問題は、その結果に対する意識にはさまざまなレベルがあり、その強弱によって結果がさまざまなかたちを取るということだ。
これは、特にパターン化した行動に当てはまる。
ほとんど機械的に行動するようになると、その行為の因果関係に注意を払ったり、評価したりしなくなる。
あなたの人生の中にも、状況に反応しているだけで、何も考えずに機械的にとり続けているような行動があるのではないか。
こうした行動は論理的でないように見えるが、そう見えるだけで実際は道理にかなっているのだ。
あなたは今もこれからも、望ましくない結果にしかつながらない行動をとったりはしない。
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気にもとめずにこうした行動をとるのは、あるレベルではそれでうまくいっていると感じているためである。
「うまくいっている」というのは、その行為から何らかの見返りを得ているということだ。
いずれわかると思うが、もっと意識的あるいは表面的なレベルで、その行為が自分にとって望ましくないとわかっている場合にも、この公式が当てはまる。
その行為によって自分が苦しむこともわかっているかもしれない。
それでも、結果的に見れば、何らかの見返りを得ているのである。
そうでなければ、そうした行動をとらないし、今受け入れているものを受け入れていないだろう。
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わかりやすい例が「過食」だ。
意識や理性のレベルでは、望ましくない結果を生むとわかっているが、他の何らかのレベルでは、過食を続けるだけのメリットがあるのだ。
人はうまくいくことだけをするのだから、結果的に見て、過食も何らかのかたちでメリットがあるに違いない。
この「人生の法則」が言っているのは、まさにこういうことだ。
もし、その行動が何第4 章 「見返り」が行動を支配しているらかの目的にかなっており、何らかの見返りがなければ、そんな行動をとらないだろう。
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実に簡単なことだ。
この真実は文字どおりに受け止めなくてはならない。
何らかの行動や行動パターンをとっているなら、それがどんなに奇妙で非論理的に見えても、自分が望む何らかの結果を生みだすためだと思わなくてはならない。
自分がそんな結果を望んでいることが、あなたにとって好ましいことであろうとなかろうと、関係ない。
たぶんあなたにもわかると思うが、この「見返り」という概念は、あらゆる行動を形成するうえで決定的な要素となっている。
動物に芸を仕込む時も、この概念に基づいている。
何十年も前から、心理学者は有名なネズミの迷路実験を行っている。
訓練されたネズミは、エサにありつくためなら、迷路を通り抜けてベルを鳴らす。
ごほうびがもらえるなら、輪も回す。
この実験用ネズミでさえも、うまくいくこと、いかないことを知っているのだ。
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「うまくいく」と言っても、この行動と見返りの関係は必ずしも健全とはかぎらないことを知っておいてほしい。
私はただ、健全であろうとなかろうと、その見返りをあなたが得ようと努めていると言っているだけだ。