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#04 人は減るけど、幸せが増えるまちってどんなまち?

佐竹さんゼミ誕生!

札幌市佐竹さんが科学的な知見や、札幌市役所の取り組みのナゾに答える「佐竹ゼミ」からスタートしました。科学者さんたちが時間をかけて明らかにしてくれたことは、ぜひ知って活かしていきたいですよね。とっくに科学的に明らかにされていることについて、私たちいわゆる一般市民が「う〜ん」と悩んだり、いたずらに悩んだり、恐れたりしませんように。

まちづくりのお話

図1

札幌市まちづくり政策局企画課において、「まちづくり戦略ビジョン(総合計画)(https://www.city.sapporo.jp/kikaku/vision/index.html))」づくりを担っている林さんのお話を伺いました。「まちづくり戦略ビジョン」って知ってました?そもそも、札幌市など自治体のお仕事は、その計画に基づいて行われています。とっても大切なものですね。

それは10年スパンの計画であり、今は、平成25年〜令和4年度が実施されています。そして、今、林さんは、令和4年度以降の次の10年の計画をつくっているのだそうです。「皆さんの声を聞いて、それを参考にできればと思っています」。

そこで、まずは林さんから、札幌の変遷や社会情勢について紹介されました。

図2

たとえば・・

・人口動態
開拓使以来、人口は増加。現在196万人。ただし、令和2年度を頭打ちに減少する見通し。
→道路などハードではなく人口減少に見合ったまちづくりが必要?
・合計特殊出生率(女性が生涯で産む子供の数の平均値)
政令市例都市として、最も低い「1.16」
→未婚率、出産州の少なさが原因?
・高齢化
単身の高齢者世帯が増加して行く見込み。令和12年には8世帯のうち1世帯が高齢単身になる見込み。
→見守り活動など、誰もが安心してすみつづけられる地域の支え合いが重要?
・その他
気候変動、災害の甚大化、デジタル社会の到来、新型ウィルス…今までにないことにどのように対応していこう?

人口が減少すると、暮らしのスタイルはどう変わる?

林さんから話題提供にあった、人口減少。これによって、私たちの暮らしのスタイルが、「実際のところ、どのように影響があるのか」を考えてみました。

つい「ジンコウゲンショウハシャカイモンダイ」と、言ってしまいがちな私たちがいるかもしれません。もちろん、負の側面もありますが、それだけでしょうか。

そこで、今回大切にしたのは、具体的かつ主観的に語ってみること。人口減少が進むと、どのような人が、どんな顔で、嬉しかったり、嬉しくなかったりするのでしょうか。ご自身の場合はどうでしょうか。

たとえば、こんな意見が出ました。

・人口が「多いところから」少なくなっていくと、自分自身が年を取った時に、関係性が希薄なまま年をとると孤立するかもと思って心配。
・人口が減少しても、世界に人口は激増している中で、外国の方と仲良くできるといいな。
・観光地などの人が減って良いね~。1人が寂しいね~という対照的な反応でした。
・おじいさんおばあさんのニーズを満たす仕組みに力がそそがれて、若い世代の元気がなくなる。
・子どもの居場所の密な場に余裕ができて、パーソナルスペースの確保ができたのでトラブルが少なくなった。
・農家さんだったら、ライバルが減ってたくさん稼げる!っておもうかなー。
・スーパーなどが不便になる(人手が減って店舗が減る)。一方で、小規模なお店になって、無駄が減る(大量な仕入れ等の無駄)と、一見反対なものがでてました!


人口が減るってついネガティブに語られるけど・・

図2 2

図3

その後、代表ホストのゆりえさんからこのような呼びかけがありました。

もしかしたら、人が減ると、モノが売れなくなるので、不幸に感じますよね。きっと私たちは幸せに持続できないでしょう・・もし「大量生産/大量消費という社会のあり方を前提にしていると。だから、つい人口減少はネガティブに語られがちです。一方で、これまでの「たくさん消費する」ようなしあわせ以外の形の幸せを探すチャンスではないでしょうか。

人が減って今と何かが大きく変わった結果、「ああ、変わっちゃったな」と諦められることはいいですよね。諦めれば。

でも、私たちは生きていれば、大切なことがあります。諦められないものや、もっとあったらいいなと思うこともありますよね。そこで、続いて、こんなことをみんなで考えました。

こんな風に暮らしたい、あったらいいよねと言うライフスタイル/暮らし方はなんでしょうか。それは、それは「札幌で」どんなカタチをしていると思いますか。

その質感を感じてみる時間を過ごしました。

こんな風に暮らせたらいいな、を描く。

図5

参加者で、小部屋に分かれて話しました。話し方は色々と工夫したので、参加した人だけのヒミツです。
ちょっと小難しくいうと、前回までに学んだ、マックスニーフのフレームワークにを元に、参加者の札幌でのストーリーの中から、ありたい暮らしを支えるモノ・サービスではなく、「サティスファイアー(満たし方)」を抽出するたのしい作業です。

たとえば、こんな意見が出ました。たくさん出てきたので、一部抜粋です。

ゆかさんの作品

・みんなが知り合いで、飲み歩いていると偶然出会って合流できる
・美しい緑や水の周りでデートができる
・お母さんの手作り感的なコンビニがある。
・おいしい食べ物があること
・ご近所さんがいて、誰でもきていいよ
・世代間でつながっている
・四季がゆたか、雪の多さ、大通公園がよい、ひらけた感じ
・都市と自然とのバランスがよい。
・札幌の澄んだ空気、雪が好き
・仕事帰りに歩くのが楽しい→治安がいい、安心できる
・これからはエリアを超えたつながりをつくれる
・移住して札幌に入ってくる人だけではなく、海外でいろいろな土地を渡り歩いているような、通り抜けていく人も受け入れてくれる空間があるといい

そして、次回は、そんな暮らし方を支える仕組みを考えます!

「じわくら」が、はじまるよ!

図6

ゼミ後半の時間は、グロス梯愛依子さんによる、「じわくら」講座です。

「みんなが幸せに暮らす」を実現するための、しあわせの作り方と、暮らしの舞台である土台(社会と自然)を壊していかないために、SD(持続可能な発展)のための枠組みや共通言語を学んでいきます。

内容がとっても盛りだくさーんの時間でした。じわくらについては、内容をこちらに残すことはせずに、参加者の声の一部をご紹介します。

気候のことを考えたときに、とても大きくて何からやればいいのと言う声が多かったけど、このゼミに参加することでイノベーションのやり方が身近にある・・と気づいている人が増えている気がする。
「見えにくいつながりを見ること」に共感した一方で、「グローバルにつながっていることをどこまで目配りできるんだろう?」と一瞬不安に思った。そしたら、同じグループでお話しした人が、「だからこそ、こんな人の幸せを邪魔してるんじゃないか?を話してよい、話そう、とすることに意味があるんだよ」と教えてくれた。
見えにくい繋がりですが、繋がっていることを意識して過ごしてみようと思います。
みんな良かれと思って判断して行動しているけど、未来も含めてみんながつながっているから、その判断が誰かの幸せを邪魔することになることもある。やっぱり丁寧な対話と想像力が大事なんだろうな。

なお、その内容は、このゼミのほか、こちらで詳しく学ぶことができます!シラバスもありますので、ぜひご覧ください。
https://jiwakuraa2020oct.peatix.com/

編集後記

今回は、参加者のみなさんは食い入るように画面をご覧になっている様子が印象的でした。たしかにこのゼミワークショップの「ウォームアップ」は第3回まででやりました。そこからの第4回、「このスピード感で大丈夫かしら・・」と私は心配していました。しかし、今の所、スラックなどの盛り上がりを見ると大丈夫そうでしょうか。それでも、ちょっと「早すぎて見えない〜〜」と思う一人を置いていかないように、声があげられる私たちでいたいですね。そのための「三男と自分をホストするお部屋」も準備してあります☕️また次回、お会いしましょう!


【ご案内】参加者募集中です!

自由で多様な学びの機会たっぷりの「みんなの気候変動SDGsゼミ・ワークショップ」は、引き続き、参加者募集中です。開催期間は、2020年9月~2021年2月、18時30分から21時00分。

お申し込みの方は、各回のご案内をメールにてお届けします。
➡︎こちらからお申し込みください。
https://forms.gle/9pDvPskPTWqY82RS9

【リソース】

① Facebookページ
https://www.facebook.com/ourclimatechange.semi/
②これまでどんなことをしてきたの? (2019開催レポート)
https://note.com/kikohendo/m/m9a74a087ec5d
③参加者の声でふりかえる「ゼミTV」
https://note.com/kikohendo/n/nd2e06b28d4dd
④聞いて学ぶ。ゼミワークショップのアーカイブ・ラジオ版
https://soundcloud.com/ezzxkuhber1r/sets/sdgs
③ワークショップについてのお問い合わせ
https://www.city.sapporo.jp/kankyo/sdgs/workshop/2020.html
主催:札幌市 環境局 環境都市推進部 環境政策課

【第4回目】人は減るけど、幸せが増えるまちってどんなまち?(2020.10.16)
グラフィックハーベスター 小柳明子、山田有香
エディター 反町恭一郎

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