見出し画像

北海道のソウルフード ジンギスカン

昭和生まれ、昭和育ち

子供の頃、日曜日の晩ご飯はジンギスカンだったことが多い。夕方に「ちびまるこちゃん」と「サザエさん」を見ながら食べていたのを思い出す。北海道では、肉を焼くと言えば「羊肉」でジンギスカン。しゃぶしゃぶだってマトンの輪切りスライスだった。今の若い世帯にはないと思うけど、各家庭にはジンギスカン鍋があったと思う。

家で「カルビ」と「こてっちゃん(味噌ホルモン)」を食べた時には衝撃が走った! なんだこのジューシーな肉は。やわらかいしタレもうまい。まだまだ食べ盛りだった中学から高校にかけては、魅惑の脂身多めカルビ派になっていた。中学になるまで、ラム以外の肉を焼肉で食べたことがなかった(笑)


ここ最近はジンギスカンはもっぱらフライパンだったけど、久しぶりにジンギスカン鍋を出してみた。ジンギスカン鍋は鉄なので重くて、食べた後の手入れも大変なので、心に余裕のある時しか出したくない。

でもね、やっぱりね、美味しいんですよ。鉄鍋の力は素晴らしい!しかも野菜のことも考えて設計されてるあのフォルム。どうやら兜から来てるらしい(いろんな諸説があるらしくはっきりはしてないらしい)。盛り上がってる山の部分で肉を焼き、滴る肉汁で野菜を煮ながら焼く。野菜にまでしかっりと味がつく。最後にうどんで〆るのだけど、この焼うどんが、とにかくうまい!ジンギスカン鍋を考えた人は偉いと思う。

夫と「やっぱりジンギスカンは楽しいし美味しいね。古き良き昭和の時代だね。」と話した。ふと、ジンギスカンの由来が気になったので調べてみた。


ジンギスカンとは

北海道の郷土料理である。羊肉をタレに漬け込み、中央部が盛り上がった独特の形の鍋で焼き、野菜を縁で焼く

マトン⇒成羊肉(1年以上)

ラム⇒仔羊肉(1年未満)

羊肉は、北海道のほか、岩手県遠野市、長野県でも食べられていた

歴史

起源については諸説があるようだけど、

モンゴル帝国を率いたチンギス・カン(チンギス・ハーン)が遠征の陣中で兵士のために作らせていたとも言われてる。実際は現ジンギスカンとモンゴル料理はかけ離れている。

中国で羊肉を用いる料理の清真料理のカンヤンロウがある。これもジンギスカンとはかけ離れていて、串に刺したに肉を焼いている。

ジンギスカン料理の起源は中国大陸にあるという説で、大日本帝国陸軍の旧満州への進出を機にカンヤンロウから、日本人向けにアレンジされ広まった。

命名にも諸説がある

源義経が北海道を経由して、モンゴルに渡ってジンギスカンになったという都市伝説から想起したものもある。

義経=チンギスハン説(よしつね=ジンギスカンせつ)は、モンゴル帝国の創始者で、イェスゲイの長男といわれているチンギス・ハーン(成吉思汗)(1155年以降1162年までの間 - 1227年8月12日[1])と、衣川の戦いで自害したという源義経(1159年 - 1189年6月15日)が同一人物であるという仮説、伝説である。信用に足らない俗説・文献が多く、源義経=チンギス・ハン説は否定されているが、関連する文献には信用・信頼できるものとできないものがあり、整理と注意を要する。              Wikipedia

東北帝国大学農科大学(北大の前身)の出身で、1932年満州国建国に携わった駒井徳三が、1912年(大正元年)から9年間の南満州鉄道社員時代に命名したという説がある。


北海道で郷土料理となった歴史

羊毛の生産のために輸入された。明治時代から北海道で飼育が始まる。

大正時代に入ると、第一次世界大戦の勃発で羊毛の輸入が止まる

1918年(大正7)には100万頭増殖計画を実施

1935年(昭和10)には中華事変、第二次世界大戦などにより軍需羊毛の自給のために緬羊飼育が国策として奨励され、軍隊、警察、鉄道員用の制服の素材となった。

滝川、札幌月寒などで、昭和初期から羊の飼育が盛んに行われていた。
滝川種羊場長を務めた山田喜平氏とマサ夫人がジンギスカンなど羊肉料理の普及に尽力し調理法を広めた。

羊肉を食べなれていない日本人にとっては、臭みが強くなかなか受け入れることが出来なかった。


郷土料理になったのは昭和20年代後半

・1951年(昭和26年) 滝川の飲食店が種羊場の農家のジンギスカンに目をつけた後に羊肉をタレに漬け込む「松尾ジンギスカン」のスタイルが登場

・1953年(昭和28年) 月寒に「成吉思汗倶楽部」が発足 ジンギスカンを食べさせる店が増える

・1956年(昭和31年) ベル食品が「成吉思汗のたれ」を発売。道民の食卓で身近なものになった。


タレには、醤油ベースと味噌ベースのものがあり、主流は、醤油ベースである。醤油、味噌、砂糖、リンゴ果汁、ショウガ、ニンニク、ごま油などが配合される。

北海道では、ベル食品ソラチの醤油ベースの製品が代表的。実家は断然ベル食品派でした。


子供の頃から食べなれてきた羊肉。臭みを気にしたことがなかったけど、食べなれてないと嫌煙されがちなのかな。マトンよりラムの方が臭みは少ないので食べやすい。ラムならタレ無しで塩コショウだけでも美味しいと私は思う。肉で一番好きなのはと聞かれたら「ラム」と答えると思います。

野菜はなんでも美味しい。キャベツ、もやし、茄子、ピーマン、アスパラ、玉ねぎ、かぼちゃ、じゃがいも、にんじん、にら、行者ニンニク。注)行者ニンニクは臭いので休前日に・・・でもジンギスカンとマリアージュなんです

北海道の郷土料理になった歴史が意外と浅く、国策によって緬羊が飼われ、一般家庭に広まったのが昭和30年代とは驚きました。歴史を調べるって面白いですね。

北海道は美味しいものがいっぱいあるぞ~。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?