【ただ触れるだけ、】#02
#02 触覚①
小児の作業療法士になっても、まだまだ毎日勉強中のミキティです。得意なことは、子どもと遊ぶ事。子ども達がちょっと苦手だなと思う事を繰り返し練習し習得させる事はしません。その子にとって興味のある遊びや意味のある活動を通して、7つの様々な感覚(視覚・聴覚・味覚・嗅覚・触覚・前庭感覚・固有感覚)情報を提供し反応を引き出す事を通して関わっています。2020年4月より”note”にて、いつも遊んでいる事がどんな意味があるのか簡単にまとめています。子育て中の方や子どもの支援をされている方のお役に立てますように…
1. 触覚は胎児の時から発達している
妊婦の検診でDrが心音を聞いている時、「あれっ?!心音がちょっと聞こえないね…」なんて、ドキッとするような事を言われた経験のある方もいらっしゃるかもしれません。
特に障がいが心配されなければ、それは実は「把握反射のイタズラ」ってことも。赤ちゃんは『オギャア!』と五体満足でこの世に生まれても、一人ではまだ生きていけない小さな命です。その為、色んな形で自分の身を守るために持って生まれた特別なシステムがあり、それらは赤ちゃんが成長する為に必要な原始反射といわれています。それぞれ必要な時期に現れ、”統合して消えていくもの”と”ずっと残るもの”とに分かれます。
その一つの「把握反射」は赤ちゃんのてのひらを触ると”きゅっ”と握るあの動き。昔々に人間が木の上で生活していた時に落ちそうになった時にとっさに捕まるという習性の名残ではないかと言われているそうです。先ほどの心音が聞こえないというのは、この把握反射が働き、羊水の中で手を動かした時に触れた臍の緒を”ギュ〜っ”とつかむことから血流が一瞬遮断され、心音が弱くなったという現象。お腹の中から触覚は発達していると感じる瞬間でもあります。
2. 「触覚過敏」ってよく聞くけど、どうしてそうなるの?
触覚には脳は触れたものが何かを判断する「識別系」と身を守る行動をとる「原始系」の二つから成り立っています。それぞれの機能が状況に合わせて適切に働くことが難しいと感覚調整が上手くいかず、とても嫌な感覚になったり、逆にずっと触っていないと落ち着かないなどそのお子さんによってと偏りがまちまちで、このように表現されることがあります。
3. どんな遊びをするの?
・大豆や小豆を使って遊ぶ→握る、撫でる、指から落ちる感覚を楽しむ。
・フィンガーペインティング→掌、指先で絵の具を直接触って遊ぶ。
・粘土遊び→押す、指先で潰す、形を作る。
・スライム→触れる、掌・指先を埋める、包む、などなど…
どの遊びも子どもが嫌がる時には無理に触らせず、道具(スプーンや箸など)を使って直接触れなくても遊べるよう配慮します。また、お友達と一緒に行うと”楽しそう”という雰囲気で少し挑戦してみようかな?という気持ちにもなりやすいので環境の設定も考えると良いかもしれません。
↑大豆と小豆の入ったブリキに頭を突っ込んで遊んでいる子ども達 (笑)
4. まとめ
子どもにとって、心地よい触覚は安心感を与え情緒も安定させるもの。抱っこや触れられるのを嫌がるお子さんには直接ではなく、お子さんの好きな感触を介して関わったり、自分から触れ合うことをしてきた時にぎゅっとしてあげるのもいいかもしれません。
特別なメソッドが無くても手を置くだけでも効果はありますので、寝る前のスキンシップで試されてはいかがでしょうか?
最後までお読み頂きありがとうございました。
明日も皆さんにとって良い一日になりますように…
参考文献:
感覚統合Q&A