【ワタシがどんなにママが好きか知ってる?】#26
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
私には
”知ってもらいたい家族がいる”
私が関わる障がいを持つ
お子さんとその家族。
その家族のストーリーから
いつも沢山の学びがあります。
その一部を皆さんに
知ってもらいたくて綴っています。
(その他の家族の話はこちら)
今回のテーマ:
話せなくても伝えたい
ママがこんなに大好きな事
1.「産まれてしまった」
産まれた時のママの心の声。
「病気が重かったらどうしよう…」
と不安に思う。
ターナー症候群
ゴーハム病+骨溶解(頭蓋骨・四肢骨)
肥大型心筋症
産まれてから心室中隔欠損
頭蓋骨腫瘍の手術をし、
もうすぐ口蓋裂の手術を
控えている。
現在4歳。
シホちゃんの体は
軽々と持ち上げられる位、小さい。
でもね、小さな体には
冒険心が、これでもか、と
いうくらい一杯詰まっている。
”おてんば”という言葉がぴったりな
元気な元気な女の子だ。
2.受け入れる
一般的にママが
お腹の赤ちゃんの障がいが
わかった後から
受け入れるまでのプロセスは
いろんなパターンがある。
シホちゃんのママはこうだ。
「産む前にもう覚悟はしていた」
「だから自然に」
母は強い。
と、つくづく感じる。
だから無条件で子どもから
愛され、頼られるのだ。
3.ママは忙しい
シホちゃんには
小学生のお姉ちゃんと
保育園に通う弟がいる。
ママのお仕事は看護師だ。
仕事が終わって
3カ所のそれぞれの子ども達を
お迎えに行き、帰宅する。
すぐに息もつかずに
おやつを用意し
洗濯物をたたみながら
夕食の準備に
取り掛かる。
共働きの家庭の
帰宅後のルーティンだ。
もちろん、ママ1人では
こなすのが難しい時もある。
そんな大変な時は助っ人がいる。
シホちゃんが、
ずっと小さい時から
見てくれるヘルパーさんだ。
優しく見守ってくれる彼女もまた
この家族には、かかせない存在だ。
4.OTの私にできることは何だ
シホちゃんのパパとママは
海が好きだ。
だから”汐”と名前を付けたと
出会った当初に聞いた事がある。
発達・発育がゆっくりなシホちゃん。
リハビリでは部屋にある
サーファー用の
バランスボードを
利用して回転したり、
シーツで波のように
揺らして遊ぶ。
こんなに喜ぶのは
2人のDNAがシホちゃんに
しっかり入っているからだろう。
その子に必要な動きと笑顔を
引きだすのが私の役目だ。
5.読んでくれた皆さんへ
”自分次第で時間は
つくることが出来る”
と私は思っている。
ある小学校の先生が素敵な
宿題を出した。
「家に帰って、1分間だけ
抱っこしてもらう」
パパママに限らず、
祖父母などの大人も含むそうだ。
多様化している家族の形で
賛否両論が出たようだが、
私は賛成だ。
抱きしめられるという
触覚の感覚は
子どもの身体機能の
向上だけではなく、
情緒も安定させるからだ。
だから、ほんの少しでいい。
これを読んで頂いている方に
そんな素敵な時間を
過ごして欲しいと願う。
6.ママから しいちゃんへ
「ママはしいちゃんが
笑ってくれる時、幸せを感じるよ」
「汐が笑顔でいられるよう、
ママも笑顔で向き合うね。」
撮影:福添 麻美