【なんで同じところでつまづくんだろう?】#18
”子どもと遊ぶ”が仕事の
小児の作業療法士ミキティです。
遊びに隠された7種類の感覚の秘密を
簡単にまとめたり、療育・保育・子育てに
関わる内容をお伝えしています。
今回のテーマ:行為機能
# 18 感覚統合 行為機能
1.行為機能ってなあに?
これは環境や状況に応じて、
ある目的を達成するために
体を上手に使いこなし
環境を操作する能力の事。
例えば…
目の前に何かあるぞ!
遊べるかな?
手と足で登れる?やった、登れた!!
降りるときジャンプする?
いや滑ってみよう!
滑れた〜!楽しい!など
2.行為機能は3つの段階に分類される
Ⅰ.「観念化」
Ⅱ.「順序立て」
Ⅲ.「実行」
Ⅰ.「観念化」とは自分がいる環境や
そこにあるもので何ができるか閃く事。
これは身体図式とも関連しています。
自分の体の大きさや運動機能が
どれ位あるかわかっていないと、
自分の能力では
出来そうにない事をやろうとしたり、
最初から無理と諦めてしまうことも
あるから。
Ⅱ.「順序立て」とは観念化で閃いた
アイディアを具体的なものにする為に
手順を計画立てる事。
「こうしたら、こうなる」
という継次処理能力に
関連し、対人関係にも関連します。
もし、初対面で
「太ってますね、はげていますね」
と言ってしまうお子さんは
ここが弱い可能性があります。
Ⅲ.「実行」とは順序立てられた計画を
実際の運動を通して行う事
実行でうまく行かなければ、前の「順序立て」や
「観念化」に戻ります。これがフィードバックです。
3.「観念化」がうまく行かないときは?
環境(遊具・設定)の中で
どのような新しい遊びやお手伝いが
できるのかを一緒に考える機会を作ります。
ヒントや実際にやっている場面を
見せる事も有効です。
お手伝いを一緒にしてもらえれば
ママも嬉しいですよね。
4.「順序立て」がうまく行かないときは?
◉時間に従って、身体の運動を
順序よく切り替える活動が有効です。
例:ブランコ、ケンケンパ、縄跳び、
ボールを投げて打つノック、
ボールを手でつくドリブル等
◉順序がある遊びもオススメです。
理解に時間がかかるお子さんには
イラストや数字で順序を
プラスしてください。
例:借り物競走、サーキット遊び
(走ってからジャンプして、
テーブルに潜ってアイテムを
取ってゴール等)
5.「実行」がうまく行かないときは?
筋緊張のコントロールが難しい、
(体が柔すぎたり、硬すぎたり)
バランスの困難さなど運動面での
つまずきがある可能性があります。
運動能力を高める遊びをしましょう。
例:走る、登る、ジャンプするなど
”子どもの運動遊びの広場”では
遊びのアイディアが動画で紹介されています。
参考にされてはいかがでしょうか?
http://www.kodomo-tairyoku.pref.fukuoka.lg.jp/children/douga.html
6.まとめ
新しい場面や課題が苦手だったり、
同じところで何度もつまづいてしまう。
一度、失敗をすると再チャレンジしない。
同学年の子どもと遊ばず、
低学年の子どもと遊ぶ事が多い。
もしかすると行為機能の発達が
ゆっくりかもしれません。
たくさん体を使って遊ぶ事。
遊びは子どもの体と心を作ります。
できる事から始めてはいかがでしょうか。
参考:
感覚統合勉強会
作業療法士(OT)は 実は子ども達のサポートも しているリハビリ職。 これらの記事が読んで頂いた方の 子育て・療育のヒントになればと思っています。 子ども達は今この瞬間が 生きてきた人生で一番成長している時。 記事を通してみなさんと 関わる事が出来たら嬉しいです✨