卒業おめでとう
昨日の夕方から夜にかけて、娘の大学の卒業式に参列していました。式典と言っても一緒に学んだ学科の卒業生が対象で、場所は大学の講堂(Auditório)。こじんまりとしたアットホームな式典となりました。高校の、卒業証書授与や祝辞が延々と続くメガ卒業式にはうんざりしていたので、適正な時間に終了する式典にホッと胸を撫で下ろしました。娘の高校の卒業式は、始まりは21時位くらいから。帰宅したら夜中の1時でした。一方、まだ色々な規制があった、昨年の息子の卒業式は(学校の違いもありますが)あっさりとした式典でした。
式典の開会は時間は17時。大学のすぐそばで仕事をしている娘は、初めて車で出勤していました。前夜までに決められなかった衣装2着と、卒業後も大学で続けているバスケットの道具一式を持ってラッシュアワーの地下鉄に乗るのは嫌だということで。確かに大荷物です。衣装はガウンを着てしまえば見えないのに、メイクを手伝ってくれる友達(卒業は半期先に延ばしています)のアドバイスを受けて、その場で決めるようでした。
開会時間ギリギリに会場に着いたので、ガウン、角帽姿の娘を見つけられないまま着席しました。賑やかなこの曲をBGMに卒業生の入場です↓(Pharrell Williamsの「Happy」)昨年の、息子の高校卒業の時はワクチン証明やマスク着用の義務など、面倒なことが色々とありましたが、今回は全く規制がありませんでした。マスク着用の義務もなし。卒業生たちの晴れやかな顔を拝むことが出来ました!しかしながら、たったの一年で世の中がこんなに変わってしまうとは......狐につままれたような気分にもなりました。
この曲は何年か前に流行りましたよね。小学生だった息子は、参観日にこの曲に合わせて踊らなければならなくて。当時10、11歳位?の、思春期入り口で、猛烈に抵抗していたことを覚えています。
結局嫌々踊ったのですが、しばらくこの曲がトラウマとなって、車のラジオから流れようものなら、酷く気分を害していたものでした。昨日はそんなことはすっかり忘れていて本人には今の心境は訊きませんでした。晴れやかな、溢れんばかりの笑顔で、胸を張って入場する卒業生達に目が釘付けとなっていたのですから。
式次第は日本のそれと大体同じです。国歌斉唱から始まり、先生方からの祝辞、生徒代表による答辞や両親への感謝の言葉、卒業証書の授与、とつつがなく進みました。両親への感謝の気持ちが披露されている時、先生方より「スマホのライトを客席から点灯させて!」という呼びかけがあって、粋な計らいだなぁと思いました。
先生方のお話で印象的だったのは、
「豊かであるはずの学生生活の半分以上をパンデミックで制限され、簡単ではない5年間だった」
と卒業生達を労われたこと。中には、ご両親をいっぺんに、かの疫病で失った子もいたとのことで胸が痛みました。どんなに我が子の晴れ姿を楽しみにされていたことでしょう。先の水害についても述べられ、キリスト教系の学校でもあり神の話にも触れられました。
「あなたたちはブラジルで1番⁉︎の建築学科を卒業したのだから、これからは社会に大いに貢献しなさい」
とのお言葉も心に響きました。「1番」には後で娘は首を傾げていましたが。。
卒業証書の授与はもうお祭り騒ぎです。我が子、孫、もしくは友達の名前が呼ばれるや否や、大声量の雄叫びが発せられます。中には
「Vai Corintians!!」(コリンチャンス、行け‼︎)
などと、どさくさに紛れて自分の贔屓のサッカークラブチームの名前を叫ぶ男子も。一同大爆笑!和やかな雰囲気であっという間に1時間半が過ぎました。記念品は宗教の学校らしく、バイブル。卒業証明書は、国中どの大学にも発行する権利がないそうで、首都のブラジリアの文部省に別途請求する必要があるそうです。
式典の後は、普段はなかなか見学する機会もない学内を娘に案内してもらいました。セキュリティの関係で、普段は学生教授陣以外は入口でシャットアウト(学生証をかざさない入れない)されるので。カフェテリアや普段娘が出入りしていた教室なども見せてもらえて感慨深かったです。あちこちで友達にも会い、
「ご家族の写真を撮りましょうか?」
とこちらから頼まずとも声かけしてくれた、友達の気遣いに感謝の気持ちでいっぱいになりつつ、充実した学生生活を送って来たのだなぁとも思いました。街中のキャンパスで決して敷地は広くはないのですが、はるか昔に私が通った学びの舎と雰囲気が似ていて懐かしい気持ちになりました。
私たちの車はナンバープレートによる規制で20時まではその場を動けず、カフェテリアでコーヒーを飲みながら時間調整をして家路に着きました。別の車を運転して娘が帰宅したのは22時過ぎ。いつもは地下鉄での通学通勤してきて、帰りが遅い時は父をアッシーとして使っているので、これはまさに初めての経験です。ついこの間まで学生で親を頼っていた娘が、急に私たちの手を離れて行ってしまったような錯覚に陥りました。
卒業の一連の行事は、2週間後の卒業パーティーでおしまい。私はその時にこれだけはするまい、と今から心に決めていることが二つあります。一つは
「無理してヒールの高い靴は履かない。」
つい先日、ウォーキングで膝の調子を悪くしたばかりで不安があります。
そして二つ目は
「マスク型のパックは決してしない!」
です。どんなアクシデントが待ち受けているか分からないのですから、用心するに越したことは無いのです(笑)